北海道旭川市で3月、中学生が遺体で見つかった問題。

 SNSで遺族への中傷が相次いでいるとして、母親が情報の開示を求め提訴しました。

 2021年3月、旭川市内の公園で遺体で見つかった広瀬爽彩さん(当時14)。

 旭川市教委は4月に「いじめの重大事態」として認定し、第三者委員会でいじめの有無を調べていますが、この問題をめぐり新たな動きがありました。

 広瀬 爽彩さんの母親:「関係のない方も含む多くの方が、多くの名誉毀損(きそん)的投稿により傷付けられております。原告もそのうちの1人です。このような状況を少しでも抑制することができればと思います」

 弁護士を通じて、こうコメントした広瀬さんの母親。

 ひどく傷つけられた上、事実無根の名誉毀損は不本意だとしてソフトバンクなどを相手どり、発信者情報の開示を求め、旭川地裁に提訴していたことがわかりました。
 
 一方、16日に開かれた初弁論ではソフトバンク側が書き込み内容は名誉毀損に当たらないなどとして棄却を求めました。

 遺族の担当弁護士は…

 担当の弁護士:「インターネット、具体的に言うとツイッターで遺族の名誉を毀損するような表現。家庭環境にいろいろ問題があるような投稿があった。投稿者の特定をするために、今回の手続きをした。投稿が特定された後に、民事・刑事手続きをするかは白紙の状態」

 社会問題化しているSNSでの中傷。

 なぜ他人を攻撃するのか、その心理を専門家に聞くと…。

 国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 山口 真一 准教授:「なぜ被害者の方に攻撃を向けるのかと疑問に思うかもしれないが、多くの人はそうじゃないないと思うんですよ。一部の人たちがどうしても、多種多様な人がいますので。SNSは道具ですので、使う人間がどう考えるかで大きく反映される。誰もが発信できるというのは、時として被害者への刃にもなる」

 SNS上では今回の問題に関係のない第三者がいじめの加害者として疑われるケースも起きています。

 今回の提訴とともに、依然メドが立たない第三者委員会による調査の行方にも注目が集まっています。

 情報開示の手続きは国も対策に乗り出しています。SNSで誹謗中傷した発信者の情報開示は、4月に法律が成立し、裁判の手続きが簡素化されます。

 これまで特定まで約1年かかっていましたが、4~7か月に短縮されます。

 また、人を侮辱した時に適用される「侮辱罪」は、これまで「拘留または科料」でしたが、「懲役・禁錮や罰金」も加え、厳罰化の検討がされています。

 私たちがSNSで誹謗中傷の被害を受けた時に、どうしたらいいのでしょうか。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター 山口真一准教授は、以下の対応をあげます。

・反論しない
・SNS事業者の機能を使う(ブロックなど)
・周囲や弁護士に相談する

 大事なことは、被害にあった証拠を残しておくこと。裁判になった時に重要になってくるということです。

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