全国的に新型コロナ感染者が急増するなか、“感染爆発”が起きている沖縄では、感染者や濃厚接触者に認定される人が増えたことで「医療の制限」や「臨時休校」に追い込まれています。さらに、家族との接触を避けるために「車中泊」をする人まで。感染者の増加を抑えるには何が有効なのか、専門家とともに考えます。

■「限界が近づいている」沖縄の医療体制

沖縄県では、新型コロナ陽性や濃厚接触による医療従事者の欠勤が、1月6日時点の220人から、10日時点では483人に増加しました。

医療従事者の欠勤などにより、9病院の一般外来制限、14病院の救急受け入れ制限を実施しています(10日時点)。病院の現状について危機感が高まっています。

沖縄県立北部病院 永田恵蔵医師:
「少ない医師・看護師で診療を続けているので、体力的にも精神的にも限界が近づいている」

■陽性者急増で「車中泊」 保健所や検査能力のひっ迫も

沖縄県では11日時点で、宿泊施設療養者数は518人。自宅療養者数は4543人にも上ります。

そんななか、自宅療養者が同居家族との接触をさけるため、車中泊をするケースもでてきました。これに対し県は、エコノミークラス症候群のリスクがあるとして、自宅での療養を呼びかけています。

さらに、保健所や検査能力はひっ迫しています。

那覇市の保健所について、市の公式LINEは「多くの人員を投入しても追いつけない状況」「陽性者は自身で濃厚接触者を判断し連絡を」と発信しており、“保健所一極集中” の限界が見え始めています。

また、沖縄県は抗原検査キットの活用を呼びかけていますが・・・

那覇市内 大手ドラッグストア:
「抗原検査キットは昨年末に売り切れてしまった。メーカーにも在庫がなく、いつ入荷できるか不明」

検査キットの供給が追いつかず、“検査難民”も生じています。

感染急増の沖縄の現状について松本教授は、さらなる広がりに警戒が必要だと指摘します。

国際医療福祉大学 松本哲哉教授:
「今は病院・医療機関への影響が大きいというのは確かだが、今後、医療機関の従事者だけに感染が広がっていくとは限らない。一般の社会活動をしている人にも影響が出てくる。そうすると会社やお店、いろんなところでの感染者・濃厚接触者が増えていく。これは決して医療の場だけに限定されるものではない。ほかの場所でも起こりうるということを想定して、今後どう対応していくかを考えるべき」

■交換必要? 新たなマスクの使い方

では、感染者の増加を抑えるために新たにできることはないのでしょうか。東京医科歯科大学 武内寛明准教授は、長時間使用でマスクの機能(集じん・フィルター性能など)が低下していくという報告もあるため「長時間着用する場合にはマスクの交換」を推奨しています。

武内准教授はマスク交換の目安として

・午前と午後
・人混みの中にいた
・会食をした後

の3つを挙げています。

このマスクの使い方に対し、松本教授は「前提としてマスクをすることの重要性」を付け加えました。

国際医療福祉大学 松本哲哉教授:
「感染リスクが高い状況下で長時間過ごし、使用したマスクの機能が下がっているかもしれないと思うようであれば、交換ということもある。ただ、過去の感染者のケースをみると、“マスクを外している時間が長かった” あるいは “ほとんどマスクをしていなかった” という状況で会話をしている場面が多かった。マスクを取り替えるというよりも、前提として “なるべくマスクをする” ということが大事」
(11日17:44)

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