深刻な経済危機に陥っているスリランカで、首相が国の「破産」を宣言した。さらに、この危機的な状況が長期化するという見通しを示した。

■コロナで主要産業「観光」に大きな打撃

 美しい自然に恵まれ、“インド洋の真珠”と称されるスリランカ。しかし、新型コロナとロシアによるウクライナ侵攻などが、この国を激変させた。

 ウィクラマシンハ首相:「私たちの国(スリランカ)は現在、破産した状態です」

 現地メディアによると、5日にウィクラマシンハ首相が国の破産を宣言したという。

 スリランカでは、新型コロナにより、主要産業であった観光が大きな打撃を受けた。

 さらに、ウクライナ侵攻などにより、世界的に石油・石炭といったエネルギー、食料や医薬品などが高騰し、連日のように政府に対する抗議デモが行われていた。

 スリランカ国立病院の医師:「燃料が得られなければ、医療サービスは完全に崩壊します。これまでに農業が崩壊したことが分かっています。教育システムも崩壊しました」

 セイロン教職員組合長:「ラジャパクサ大統領とウィクラマシンハ首相の政権ができる唯一のことは、国を閉鎖することだけです。学校も閉鎖し、国家機関も閉鎖し、すべてが閉鎖しています」

■“燃料供給”“観光便再開”ロシアに要請

 ウィクラマシンハ首相は議会で演説し、金融支援を得るために続けているIMF(国際通貨基金)との交渉の現状について説明した。

 ウィクラマシンハ首相:「これまで発展途上国として議論を重ねてきたが、現在は破産した国として交渉に参加しているため、以前よりも困難で複雑になる」

 さらに、「世界的な物価の上昇と通貨の下落によって、年末までにインフレ率が60%に達する見通しだ」などとして、「来年も困難に直面することになる。これが真実だ」と強調した。

 こうしたなか、気になる動きも出ている。

 AFP通信によると、6日、ラジャパクサ大統領はロシアに燃料の供給と、観光便の再開を要請したことを明らかにした。

(「大下容子ワイド!スクランブル」2022年7月7日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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