北海道から関東の太平洋沿岸で最大30メートルの津波が予想される超巨大地震について、内閣府は21日、最悪の場合、死者がおよそ20万人に上るとの被害想定を公表しました。

北海道・厚岸町 吉田剛危機対策係長
 「避難者があふれてしまった場合、斜面でも退避できるように、手すりを設置している」

北海道・厚岸町。北海道の南東部に位置する人口9000人に満たないこの町は、大津波がくると、市街地のほとんどが浸水するとみられています。

北海道・厚岸町 吉田剛危機対策係長
 「こちらの坂を上ったあとに避難場所を設置してあるが、ここまでやってきて、ようやく浸水区域から逃れられる」

 北海道から千葉県にかけての太平洋沖には、「千島海溝」と「日本海溝」と呼ばれる2つのプレート境界があります。ここでマグニチュード9クラスの超巨大地震が発生した場合、岩手県宮古市の高さ29.7メートルを筆頭に、北海道から千葉県にかけての太平洋沿岸で大津波の襲来が予想されます。

 内閣府は21日、この地震による被害想定を公表。地震が冬の深夜に発生した場合、死者の数は、▼日本海溝の地震でおよそ19万9000人、▼千島海溝の地震でおよそ10万人にのぼり、その大半が津波で命を落とすとしています。被害想定の中には、もうひとつ重要なメッセージがあります。それは・・・

東北大学 災害科学国際研究所 今村文彦所長
 「東北、北海道は冬場はかなり厳しい状況。避難先で『低体温』になってしまう可能性」

 一旦は津波から逃れることができたとしても、高台などに避難したあと屋外で長時間過ごすことによって体温が下がる、「低体温症」で死亡するリスクが今回初めて盛り込まれたのです。

東北大学 災害科学国際研究所 今村文彦所長
 「ブルーシートや毛布を、備蓄倉庫の中に準備をしておく。屋上などの避難場所に準備をする。これによって十分対策はできる」

 対策が進む北海道・厚岸町でも、担当者は、住民も十分な対策をとってほしいと話しています。

北海道・厚岸町 吉田剛危機対策係長
 「まずは防寒具を着込んでもらう。靴下、使い捨てカイロ、マフラーなどを自分で準備し、リュックを持って避難してもらいたい」

 最悪の場合、およそ20万人の死者が出ると想定される「日本海溝・千島海溝地震」。国は、迅速に避難することなどで被害を最大8割減らせるとしています。今回、新たに冬場の寒さ対策という課題も見えてきましたが、命を守るため、最も大切なのが迅速な避難行動であることは変わりません。(21日14:33)

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