出典:EPGの番組情報

歴史探偵「指揮官 土方歳三」[解][字]

新選組副長・土方歳三が奇跡の勝利を収めた「二股口の戦い」。最新デジタル技術で浮かび上がったのは銃を駆使した緻密な戦術。剣豪のイメージを覆す指揮官・土方の姿とは?

番組内容
新選組副長・土方歳三。5倍の兵力差を覆し奇跡の勝利を収めた「二股口の戦い」に迫る。古戦場の現場調査と最新デジタル技術から浮かび上がったのは、銃を駆使した緻密な戦術。近代戦争を統率した優秀な指揮官・土方の姿が見えてきた。一介の剣豪だった彼を成長させた運命的な出会いとは?さらに戦いの常識を変えた近代兵器や武士の魂を込めた愛刀も登場!圧倒的多数の新政府軍を相手に、最後まで戦い抜いた男の信念が明らかに。
出演者
【出演】佐藤二朗

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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キーワード出現数ベスト20

  1. 土方
  2. 胸壁
  3. 新政府軍
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  5. 銃声
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  12. 兵士
  13. 五稜郭
  14. 今日
  15. 十字砲火
  16. 所長
  17. 上陸
  18. 先生
  19. イメージ
  20. 奇襲

解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

NHK
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思っています。

(砲声と銃声)

日本を揺るがす戦いが起きました。

旧幕府軍の先頭に立ち
最後まで戦い続けた男がいます。

新選組 鬼の副長…

土方は 圧倒的に不利な状況で
奇跡を起こしました。

撃て~!

(銃声)

僅かな兵力で
新政府軍を 2度も打ち破ったのです。

なぜ 土方は 勝利を手にすることが
できたのでしょうか。

これは すごい!

謎に迫るため 「歴史探偵」が北海道に!

更に 最先端の
デジタル技術で

その戦術に迫ります。

見えてきたのは
天才的な指揮官 土方の姿。

で その中で…

土方歳三の

新たな一面が明らかに!

「歴史探偵」 調査開始です。

♬~

今日のテーマは 大河ドラマでも注目の
幕末から明治にかけての時代ですね。

これは もう ほんとに熱い…
この熱い時代だよね。

楽しみですよ それは。
ねえ。 今回の調査は 石橋探偵です。

お~っと?
どうしました?

お久しぶりです 所長。
何だよ?

ちょっとね 筋肉痛で… 足が。

何で 当番組の探偵たちは

全員 NHKのアナウンサーなんだけど…

小芝居じゃないです 痛いんですよ。
ほんと?

はい。
だって 本番の直前で始めたじゃん。

何で そんな痛いの?
調査!

調査してきたんですよ。
アハハッ! いや そりゃそうだけど。

そんな大変だったのかい?

はい 筋肉痛になるほど
調査 頑張ってきたので。

もう 何という
冒頭から所長へのアピール。

見て下さい。
調査内容を こちら まとめました。

今日の主人公はですね こちらなんです。

はい。

もちろん ご存じですよね?
もちろんです。

もう これはもう 誰もが知る
まあ 幕末のイケメンね。

新選組の 鬼の副長ですよね。

で 注目するのは
ある戦いなんですよね。

こちらになります。

明治2年に

北海道で起きた戦いなんです。
なるほど。

で ここで 所長
土方は 奇跡的な勝利を遂げたんですよ。

ほう。 なに
どういうことですか? それは。

これ 戦った兵士の数を見て頂くと
分かるかと思います。 こちら。

あら。

土方たち旧幕府軍が
130人だったのに対して

新政府軍 600人。
5倍だ!

そうですよ。

じゃ なぜ
この奇跡を起こすことができたのか。

それを調査すると
これまでのイメージとは異なる…

やって来たのは 北海道。

ここで調査するのは もちろん…。

函館 五稜郭から
北西に20km。

目指すは
二股口古戦場です。

あっ よろしくお願いいたしま~す。

よろしくお願いしま~す。
「歴史探偵」の石橋と申します。

案内してくれるのは…

箱館戦争の遺跡を
考古学的に調査しています。

そして…

当時の文献を
全国から かき集め 分析しています。

あの 時田さん あちらのお二方は?

(時田)はい こちらのお二方はですね

今回 来て頂いた
ハンターの方々になります。

ハンター?
(時田)実はですね…

ありゃ 怖いやん。
(時田)我々だけ 単独で入ると

非常に 命の危険があるということで。
いやいや いやいや。

(時田)警戒のために
来て頂いております。

目指す古戦場は 人里離れた奥地に。

今回は 特別な許可を得て
足を踏み入れます。

(鈴の音)

安全第一。

クマよけの鈴を
付けました。

さあ いよいよ調査開始です。

あっ。

「二股口 激戦之地
入口」。

入っていきますか 入り口から。

ハッハッハッ!
左じゃないの?

(時田)そちらです。

道… 道ないんですけど
こっち?

あっちだったら
楽だったんですけどね。

思わず出たね 「え」って。

いや~ 石井さん これ
さっきまでの道と全然違いますね。

(石井)はい これが もともと ほんとに

土方さんの時代の交通路なんですよね。

あっ えっ じゃあ ここを
土方さんも 歩いたってことですか?

(石井)そうです。
土方さんが歩いた道を歩いています。

うお~ ワクワク。

明治2年 4月。

土方は 五稜郭から
二股口へ向かいました。

上陸した新政府軍を
迎え撃つためです。

よいしょ。

(石井)はい。

ここで ちょうど
山は 上がりきりました。

で ここは?
ここが もう 戦場の跡です。

あっ…

私には 木しか見えない。 アハハッ。

到着したのは 山の尾根。

土方は この場所で

五稜郭を目指す新政府軍を
待ち受ける作戦をとりました。

ここに 何があるんでしょうか?
調査に気合いが入ります。

すると…。

(石井)ここに…

あっ 何かこう…

割と はっきり溝が…。

(石井)
溝が 半円を描くように回っています。

そして その右側に
土の壁があるのは分かりますか?

はい。

(石井)この土の盛り上がりを「胸壁」

そして 「散兵坑」という
溝が掘られています。

ここが…

これをですね…

お~!

(銃声)

ああっ!

二股口の戦いは
激しい銃撃戦でした。

土方たちは
胸壁で

新政府軍の侵攻を
食い止めようとしたのです。

いや~ こんなくっきり
戦いの跡があるとは。 すごいですね。

実は この古戦場

150年たった今も ほぼ手つかずの状態で
残っているとのこと。

さあ 更に奥へと進みます。

うわ~! うわっ!

いや~! あいててて…。

これは すごい。

道なき道。
道なき道だね ほんとに。

すると…。

あれ? 石井さん。
(石井)はい。

もしかして…

(石井)そうですね。

(時田)何か この形
お気付きになられませんか?

ちょっと こう…
何て言えばいいんだろう…

(時田)よく お気付きになられました。
一回 ここが カクッとしていますよね。

(石井)胸壁を…

胸壁が 2つの方向を向いていると

正面はもちろん
側面からの攻撃にも すぐに対応が可能。

少人数の兵士で

広い範囲を
カバーするための工夫でした。

なるほど~ 考えてる。
動きやすそうですね。

何せ5倍だから 向こうはね。

あ~。

あっ 確かに。

土方率いる旧幕府軍は
胸壁を 山の至る所に築きました。

もし 全貌が判明すれば

戦いの詳細が見えてきそうです。

土方は 胸壁を
どれくらい造ったのか

大調査を敢行!

上空からレーザーを照射。

肉眼では見えない
細かな地形の凹凸を計測します。

データを解析し 現れたのが…

番組おなじみ…

まずは 胸壁の数を
石井さんと調べます。

じゃあ 私たちが見た胸壁を
上空から見ると どんな感じなのか

ちょっと拡大して見てみましょう。

お~。

(石井)はいはい あ~ 見えてきましたね。

上空から見ると
より このカクカク感が。

(石井)分かりますね。
分かりますね。

更に 山全体を調べてみると…。

う~ん… あっ あった。

いや~ でも改めて
こんなに くっきり映るんだなあ。

なんと 山の尾根沿いに
13もの胸壁が。

更に この配置には

土方の 恐ろしいねらいが
隠されていました。

十字砲火を中心とした

防御の発想があったのだと思います。

十字砲火?

「十字砲火」とは
複数の銃撃を組み合わせた戦術です。

例えば 敵の正面に
攻撃を仕掛けたとします。

敵は当然
それを防御します。

その時 側面から
すかさず発砲。

敵は 大混乱に陥ります。

これが
十字砲火の基本です。

土方は この十字砲火を
最大限 生かす工夫を 凝らしていました。

それは 角度。

例えば この胸壁
細かく角度をつけることで

広い範囲を 狙うことができます。

これを組み合わせると

至る所で 十字砲火が生まれます。

土方のねらいは
新政府軍が進む道の完全封鎖でした。

土方さんは じゃ

こんなに もう広範囲の地形を
全て考えて

戦術を組み立てていったと。

精度の高い作戦立案を
してるなと思うんですね。

そうですよね。

あ~ 確かに 自然の要塞ですね。

土方は 緻密な戦術で

圧倒的な兵力の差を
覆そうとしていました。

う~ん… いや~
土方の戦術 巧みですよね。

あんなに こう緻密に
計算していたんだね。

でも もう ほんとに…
赤色立体地図をね

今 先生 言うように

頭に入っていたとしか思えないような
配置だったね。

はい すごいですよねえ。
すごいね。

しかも所長 あの胸壁

土方さんたち…

オーノー! 2日で?
オーノーですよ。

それは すごくないかい。
すごいですよね。

で そもそも広い北海道なんで

新政府軍が どこに上陸するか
全く分かんなかったんですね。

そうですよねえ。
ですから もう どうしても

遅れてしまった
っていうことなんですけど

ただ 上陸が分かったあとからの
その素早さは

もう ほんとに
すごいものだったんですね。

その辺
ちょっと この地図を見ながら

説明したいと思いますが。
先生 出して下さい 地図を。

この 乙部というところに
急遽 上陸して

で 江差というところに
集結したんですね。

で 土方たちの 箱館五稜郭は
ここにありまして

この江差と 箱館五稜郭を結ぶ

最短のルートは

この二股口を通るルートだったんですね。

じゃ その乙部に上陸したっていうことが
分かったから

そうすると 計算的には
もう 五稜郭に来るには

最短の この山道を通るしかないと。

必ず まあ ここの道は通るだろうな
っていうことで…

でも 何で そんな素早く
そんな できたんですか?

土方だから! は~い。
先生 ちょっと!

パワーワードですね。
このパワーワード

この番組 先生 顧問
ずっと長く やってらっしゃるけども

一番 今
何か 抽象的な説明でしたよ?

「土方だから」って。

ええ。
いや さっき聞きましたよ 副所長から。

もう 大好きらしいじゃないですか。
大好きです はい。

しかし 胸壁を 2日間で造った
っていうのも驚きだけど

よく あんなに 割としっかり
残ってましたね 胸壁がね 今もね。

普通 その 胸壁っていうのは…

ですから お城の石垣とは 全然違って…。

割と まあ それなりに
日にちがたてば 壊れちゃう?

そうなんですね。
やっぱり 自然風化しちゃったり

崩れたりするのが
もう 当たり前なんですけど…

その胸壁は やっぱり 銃を生かすための
戦術だったと思うんですけれども

その土方が 銃の戦術を立ててたって
ちょっと意外じゃないですか?

うん そう。 いや 俺もね
やっぱり どうしても

いわゆる 新選組の 鬼の副長で
やっぱり 剣の男っていう

その 剣豪っていうイメージが
ありますから。

その… 今 全然
剣の話 出てこなかったもんね。

そうなんですよね。
もう 完全に
銃を想定してたでしょ あれね。

剣豪として知られた 土方歳三。

そのイメージを覆す
直筆の書状があります。

京都にいた頃

新選組局長 近藤 勇宛てに
書いた手紙です。

そこには
「砲術調練」や

「西洋つつ」の文言が
ありました。

新選組が 大砲や洋式銃の訓練を
毎日行い かなり上達したと

書かれています。

更に 土方が 新選組を

近代的な軍隊に再編成しようとした
証拠もありました。

戦の時の隊列です。

先頭には 大砲を持った「大銃隊」。

そして 洋式銃で戦う
「小銃隊」が続きます。

土方は 銃の重要性に
気付いていました。

新選組が 時代に取り残されぬよう
考えていたのです。

しかし 近代化の波は

彼の予想を
はるかに上回るスピードで

押し寄せていました。

慶応4年正月
鳥羽伏見の戦いが勃発。

土方は
旧幕府軍の一員として

新選組を率いて戦いました。

砲術訓練の成果を 発揮する時です。

しかし…。

(銃声)

新選組は 敵からの銃撃に圧倒され 敗走。

なぜ 土方は 負けたのでしょうか?

敗因を探るため
専門家を訪ねました。

よろしくお願いします 淺川です。

幕末から明治にかけての
武器や戦術の専門家です。

取り出したのは
戦いで使われた 2種類の銃。

これは ゲベール銃。

土方たち 新選組が使っていました。

一方 こちらは
新政府軍が使っていた ミニエー銃です。

見た目は ほぼ同じ。

何が違うんでしょうか。

それはもう 技術的な この革新。

要するに 銃身の中にヒントがある
ということですね。

そこで 2つの銃の内部に
内視鏡カメラを入れてみます。

そんな内視鏡カメラがあんの?

まずは 土方たちのゲベール銃。

特に 変わったところは
ありません。

続いて ミニエー銃。

なんと らせん状の溝が
刻まれていました。

いや すごい映像だね これ。

この差は 一体?

ミニエー銃はですね 銃口の中に

「ライフリング」という溝が
彫ってあります。

これが 弾にですね
回転を与えるという形ですね。

こういった効果を
持つことになりました。

新選組が使っていた ゲベール銃は

旧式の銃でした。

銃弾が それやすく

100mほどの近距離でしか戦えません。

一方 新政府軍のミニエー銃は

最先端の銃。

300m先の敵を

正確に狙うことができます。

当時 西洋から
新しい銃が 次々と入ってきました。

土方は それに
対応できなかったのです。

新政府軍に勝つため 行動に出ます。

それは 「伝習隊」への合流。

旧幕府軍の最強軍隊です。

指導するのは
フランス人の軍事顧問たち。

最先端の知識を持った 戦いのプロです。

土方は 胸壁の使い方や
銃撃戦の戦術を学びます。

この時 34歳。

近代戦の指揮官への道を
踏み出しました。

土方は こう述べています。

「武器は
銃や大砲でなくてはならない。

剣や槍は
戦場で役に立たない」。

現実を見つめ続ける
土方の覚悟でした。

あの… 剣は役に立たないって
言ったのは

ちょっと ショックというかね
ちょっと悲しい感じがするけど

でも まあ それは
鳥羽伏見で敗走した結果

学んだんだね
時代遅れって気付いてね。

あの~… 何か そういう柔軟性も

持ち合わせてたっていう気が
しますけどね。

僕は 土方っていう人は すごい
合理的な人だったんだと思うんですね。

でも さっきの伝習隊にね
合流してますけど…

うん? あれ あの 最強部隊なのに…。

だって 当時 やっぱり日本という国で

やっぱり そういう戦いに
一番 たけてるのは武士でしょ?

それが いなかったんですか?
ほとんどね いないんですね。

最強部隊なのに? はい。
はあ~…。

あの 武士…

うわ~ なるほど。

…っていうことで嫌がったので

しかたなく まあ 募集をかけたところ

集まってきたのが…。
募集をかけたあと 集まってきたのが?

火消しとか まあ ばくち打ちとか
結構 その荒くれ者が集まってきて。

まあ そういう意味では…

なるほどね~。
そういう アウトロー集団を合流して

指揮官として戦うっていう
そういう 土方は柔軟性があったのと…

そういった意味でも
土方は すごいなと思うんですね。

確かに 土方って ほんとに攘夷派なので
外国人嫌い派でしたよね。

そんなイメージですよね。
そうです やっぱり 外国人はもう

多分 大っ嫌いだと思うんですけど

ただ フランス人
明らかに 多分 軍事顧問団から

土方は いろんなことを学んでいたと
思うんで

まあ あの~…

そういう柔軟性が
あったんだと思うんですね。

やっぱり 何より勝つことに 執念を
燃やしてたっていう感じがしますね。

ということで
土方は その伝習隊と共に

二股口の戦いに
挑んだわけなんですよね。

ということで 奇跡の真相に
更に迫っていきたいと思うんですが。

ジャイアントキリングのな?
はい。 こちらを ご覧下さい。

あら~ 随分 たくさん。

ちょっと待って 時田太一郎先生
さっきも出てきましたけど

「私が読みました」。
「読みました」 すみません。

私が読んだわけではないです。
そうだね。 時田さんが言ってますからね。

時田さんが この戦いに関する
ありとあらゆる史料を

読んで下さいました。
これ 全部 読んで頂いたの?

はい 調査して下さったんです。
うわ~ ありがとうございます!

時田さん ほんとに。
ありがとうございます。

で しかもですね こちらの
新政府軍側の史料というのは

これまで あまり
注目されてこなかったんですけれども

こちらも これだけ
調査して下さったんです。

僕は やっぱり どうしても
旧幕府軍の史料は ほとんど読んで

で 土方が好きすぎて
本も 2冊 書いてるんですけど。

先生 今日 好き 自分の好きが出てますね。
いいですよ とっても。

いいですか。
いいです。 もう そんなの大丈夫です。

(笑い声)
ものすごい 先生

今日 肩入れしてますけど
大丈夫ですか ほんとにまあ。

そう ほんとに
こちらを調査してる研究員の方で

珍しいということなんですよね。

で この調査を見てみますと…

新政府軍が
乙部に上陸。

600人の兵が
五稜郭へ進みます。

迎え撃つ土方たちは 僅か130人。

まず土方は 二股口の先にある
天狗岩という場所に

一部の兵士を送り出しました。

(銃声)

天狗岩で 両軍がぶつかります。

♬~

僅かな人数の旧幕府軍は
大軍に圧倒され 敗走。

しかし これは
土方の作戦でした。

なに?

退却しながら
敵を おびき寄せたのは

決戦の地となる 二股口。

わざと敗走したの? これ。
うわ~。

そうとは知らない 新政府軍。

二股口に攻め入ります。

そこに 土方率いる伝習隊が
待ち受けていました。

♬~

息を潜め 敵を十分に引き付け…。

よし。

(銃声)
ああっ…!

突然の銃撃に 敵の足が止まりました。

狙え。

撃て~!

(銃声)

土方たちは
銃弾の雨を降らせました。

(銃声)

思いも寄らぬ方向からの銃撃に

新政府軍は混乱します。

[ 心の声 ] 新政府のやつらは大軍。
俺たちは小勢だ。

まともに ぶつかったら
勝ち目はねえが

謀をもってすれば…。

(土方)行け!
(兵士たち)はっ!

土方は 更なる策を繰り出します。

兵士たちは 胸壁から胸壁へと移動。

至る所から 新政府軍を狙いました。

このように 機動力を持ち
自由自在に動く部隊のことを

「散兵」と言います。

敵の動きに
素早く対応できる。

これもまた
土方が学んだ近代戦術でした。

う~ん 全部 功を奏しているわけだよね
打った手がね。

実は この戦術 かなり高度な能力が
指揮官に求められます。

…というふうに思いますけどもね。

(銃声)

土方の的確な指示が
新政府軍を翻弄しました。

今回の調査で

土方たちの攻撃の
すさまじさを物語る

新たな発見が
ありました。

(石井)はい。

土方たちの陣地から
西に 300mの場所に

ひときわ大きな胸壁が
築かれていました。

新政府軍側の史料にも

これを裏付ける記述が
残されていました。

山の至る所から銃撃された 新政府軍。

逃げ場が どこにもなく
急遽 胸壁を造ったと考えられます。

なるほど。

(銃声)

この日 土方たちが撃った銃弾は…

そして 夜が明ける頃…。

(銃声)

(銃声)

待て!

(土方)どうやら 敵はひいたな。

(兵士)ということは…。

俺たちの勝ちだ!

(兵士たち)アハハハッ!

16時間にわたる激闘を制したのです。

しかし その1週間後。

何としても 二股口を落としたい
新政府軍が 再び迫ります。

その数は 1, 000人に
膨れ上がっていました。

更に大人数に。
(河合)そうですねえ。

一方 土方たちにも援軍が到着。
300人で迎え撃ちます。

今回 新政府軍には
必勝の策がありました。

それは 南からの奇襲。

胸壁は 横や後ろからの攻撃に弱いのです。

あくまでね あのルートを想定して
造ったんですもんね。

(銃声)

♬~

回り込まれたのか?
まずいぞ!

うっ… うう…!
おい!

あっ!

土方は 逃げ出そうとする部下を
連れ戻します。

あら~ これ やっぱり鬼の副長だよ これ。
(河合)そうですねえ。

ねえ こういうとこでね。

実は土方 この奇襲を読んでいました。

それを示すのが 胸壁の位置。

中央の十字砲火エリアだけでなく

南側にも配置していました。

奇襲攻撃への対策です。

そこまで考えて。

更に 北側の谷間も封鎖。

土方は 敵の動きを
完全に予測していました。

先読みですねえ。
先読みだねえ。

ここまでの備えができた理由。

それは 土方の
学習能力の高さにあります。

(砲声)

半年前 旧幕府軍は

会津 母成峠で
戦っていました。

この時も
敵の奇襲を受けます。

敵に回り込まれ
挟み撃ちに遭いました。

壊滅的な打撃を受け 敗北。

この敗戦から 土方は

隙のない二股口の布陣を
つくり上げたのです。

奇襲におびえた部下に
厳しい言葉をかけます。

よもや おじけづいて
退こうとする者は…。

これを斬る。

味方の士気を高めました。

結局 敵は背後をつけず
奇襲は失敗しました。

激戦のさなか。

土方は酒を携え
それぞれの胸壁を回ります。

今日の敵の相手なんざ…

日々の戦を くぐってきた
お前たちから見れば

子供の遊びみてえなもんだろ。

(兵士たち)ハハッ…。
ハハハッ!

さっ 飲んでくれ。

だが 酔い潰れて
戦ができねえとあっちゃ 一大事だ。

すまんが やるのは 1杯だけな。

(笑い声)

伝習隊と出会って 僅か1年。

ハァー… ハハハッ!

そこには 近代戦を熟知し
巧みに兵を操る

指揮官・土方の姿がありました。

翌朝 新政府軍は撤退。

大軍を 2度も打ち破ったのです。

それから半月後。

(砲声)

兵力に勝る新政府軍が 五稜郭を包囲。

箱館総攻撃が始まります。

絶望的な状況の中 土方は出陣します。

しかし…。

(銃声)

♬~

明治2年5月11日。

7日後
旧幕府軍は降伏しました。

う~ん なるほど。

まあ でも ほんとに
その 1回目の大軍をね

あの 16時間
もう 朝までかかってやる戦いに

まあ 勝つか負けるか分かんない

むしろ 負ける可能性の方が
高いわけだね 5倍の兵だからね。

そのあとのことまで考えて
胸壁を造ってたっていうね。

まあ 勝ちにこだわり。

はい。 で あの
二股口の戦いっていうのは

今 出てきましたように 2回にわたって
新政府軍に勝ち続けたんですね。

なるほど。
だから 土方としても

勝っていながら 兵をひかなくちゃ
いけないっていうのは

相当 つらかったと思うんですね。
なるほどね。

やっぱり すごい印象的だったのは

その ある時はね もう斬ると。
逃げたら斬るっていう。

でも 酒を 一人一人にねぎらってね
っていう

もう ほんとに 究極のアメとムチを…。

で あの… 部下の心をつかむのもね

やっぱり 人心掌握術っていうのも
やっぱり すごい たけてたんでしょうね。

まあ リーダーとしては
それが ほんとに大切ですからね。

例えば 散兵なんて
やっぱり 全部 細かく指示してたら

逆にあれなんで…

だから やっぱり…

そこが やっぱり すごいところかなと。

まあ 土方 自分が変わることで

成長していったって面も
あるんですけど

変わらないこともあったんですって。
何でしょう。

それはね こちらです。

二股口の戦いに出る前に

土方が残した言葉です。

…とあるんですね。

つまり 自分が
ここを任されたからには

もし 敗れてしまったら
武士の恥だと。

だから 身をもって

もう それに
邁進するしかない

いや 成し遂げるしかない

っていうふうに
覚悟を決めてるんですね。

すごいね。 要するに…

僕らが 割と多くがイメージしている
剣豪 その剣の魂というか

そういう…

そう ちゃんと持ってたんですね。

でも その最後にあるのは やっぱり

勝つということのような気がしますね。
いや 本当に 所長のおっしゃったとおり

勝つことに こだわったっていうことに
徹底してたんですね 最後の最後まで。

所長 気付きました?

エンディングの曲が流れない。
いやいや そうなんだよ。

もう そろそろ流れてもいいのに
流れない。 何で?

何で 今日は まだ終わんないの? これ。
そうですね。 変ですね。

土方のふるさとに 今も大切に
保管されているものがあります。

こちらがですね 箱館で戦死するまで
最期まで使っていた

愛刀の和泉守兼定になります。

…っていうことを
意味してると思うんですよね。

つばには
「円満」の文字。

円満とは
全ての願いが かなう

満ち足りた
様子のことです。

戦いにおいて 歳三さんは…

支えられていたんではないかな
というふうに 考えられますね。

銃を用いた戦い方を学び
近代戦争に身を投じた 土方歳三。

しかし 彼の心はいつも

武士の魂 刀とともにありました。

Source: https://dnptxt.com/

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