今、全米で221年ごとに大量発生するという、ある生き物が大きな注目を浴びています。その数なんと2000億匹です。
アメリカ・シカゴ郊外にはこの夏、大量発生しているある生き物を見ようと多くの子供たちの姿が。その生き物について聞いてみると…
子ども
「羽があって飛べるの」
「目と羽がお気に入りなんだ」
赤い目に茶色い羽、ジリリリという鳴き声。そう、正解は。
子ども
「セミ~!!」
周期ゼミと呼ばれるこちらのセミ。それぞれ13年に一度現れる個体、17年に一度現れる個体がいて、その両方が地上に出て羽化する221年に一度の年がまさに今年。実に1803年以来のことです。
セミを50年研究 ジーン・クリツキー教授
「少なく見積もっても2000億匹のセミはいるはず。セミゲドン、セミハルマゲドンなんて言われているよ」
無数のセミが襲来する“セミ最終戦争”!?いったいどれだけの威力なのか、森の中で計測してみると…
記者
「87デシベルでました」
パチンコ店の店内と同じくらいの騒がしさですが、現地の人々はおかまいなし。221年に一度の機会を楽しもうと、街はセミフィーバーで大盛りあがりです。
地元の人が次々に訪れるケーキ屋さんをのぞいてみると…
お客さん
「せっかくの機会だから試さなきゃと思って」
購入したのはセミの形をしたチョコレートケーキ。
ケーキ店を経営する夫婦
「目と羽にこだわっているわ。羽は全部私が作っているの。すごい売れ行きよ。たぶん7000匹以上は羽ばたいたわ」
さらに、街を歩くと手芸屋さんの前には編み物をするセミが。
アートプロジェクト主催 ニーナ・セーラムさん
「1200匹のセミを街中に放ちました。セミを恐ろしく思っている一部の人にも、アートを通して思い出に残る素敵な経験になればうれしいです」
カラフルに彩られたセミのアート作品を飾り、街を盛り上げようと取り組んでいます。
多くのセミが鳴いている姿は日本では夏の風物詩ですが、例年ほとんどセミの姿が見られないアメリカでは特別な光景。
セミを50年研究 ジーン・クリツキー教授
「セミは時間の流れを気づかせてくれる虫です。セミが出てくるたび、家族はひいおばあちゃん、ひいひいおばあちゃんの時のことを話すでしょう。そして、それは何世代にもわたって語り継がれることでしょう」
たくさんのセミと出会える今年の夏はアメリカの子供たちにとって特別な夏になりそうです。
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