JR山手線の渋谷駅で、駅員が乗客に激しい口調で注意している動画が、SNSで拡散されました。取材を進めると、駅員が、ここまで激しく注意した理由が分かってきました。

■“駅員が乗客に激怒”2分20秒の動画

 ネット上で拡散されている動画に、波紋が広がっています。

 SNSの書き込み:「動画みる限りだと、駅員怒りすぎかなと思う。同僚の駅員が、いさめるとかしないのかね?」「財布落として拾ってもらいたい(男性の)気持ち分かるけど、あまりにも身勝手すぎる」

 4日、JR渋谷駅の山手線ホームで撮影された2分20秒の映像です。

 駅員:「あぶねぇぞ、オラ!」
 乗客:「お金取ってくれないじゃないですか」
 駅員:「取るよ!何なんだ、その態度は」
 乗客:「何で取ってくれないんですか」
 駅員:「お前が落としたんだろうが、まずは」
 乗客:「だから、なんで取ってくれないんですか」
 駅員:「そういう態度はなんだよ。取ってもらおうって態度じゃねぇだろ!」
 乗客:「お願いしたじゃないですか、ずっと」
 駅員:「お願いする態度か!」
 乗客:「お願いします。本当に」
 駅員:「あぁ!?」
 乗客:「お金飛んじゃったんですよ!」
 駅員:「止まってるじゃねぇか電車が!!山手線止めてんだぞ!!!オイ」
 乗客:「お願いします、取って下さい」
 駅員:「何なんだ、その態度はテメー」
 乗客:「取って下さいよ、本当に」
 駅員:「取ってもらおうって態度じゃねぇだろ!」
 乗客:「すみません、取って下さい、本当に」
 駅員:「分かってるわ!」
 乗客:「お金…」
 駅員:「うるせぇな」
 乗客:「なんで聞いてくれないんですか?」
 駅員:「聞くよ」
 乗客:「なんで聞いてくれないんですか?」
 駅員:「その態度は何なんだよ」
 乗客:「4万円も財布から出てたんですよ」
 駅員:「相当高くついちゃってるぞ、これ。止めてんだからよ、電車」
 駅員2:「皆さん、迷惑かかっています」
 乗客:「しょうがないじゃないですか。お金落ちちゃったんですから」
 駅員:「こんだけの人に迷惑かかってるんだよ」
 乗客:「取ってくれなかったじゃないですか」
 駅員:「取るよ。何なんだよ、その態度。取ってもらおうって態度じゃねぇだろ、まず」
 乗客:「なんでですか?僕、すごいお願いしたじゃないですか」
 駅員:「お願いする態度じゃねぇだろ」
 乗客:「お願いしてたじゃないですか。すみませんでした。お願いします」
 駅員:「いい加減にしろよ」
 乗客:「なんで取ってくれないんですか、ずっと5分以上も」
 駅員:「誰がまず、落っことしたの悪いんだよ。誰がまず悪い?」
 乗客:「その…」
 駅員:「誰がまず悪いよ?」
 乗客:「押されたんですよ」
 駅員:「言ってみろ」
 乗客:「押されたんですよ」
 駅員:「人のせいにすんな」
 乗客:「押されたんです」
 駅員:「人のせいにすんな。まず誰が落としたのが悪い?」
 乗客:「押されたんですよ」
 駅員:「映像で見るからよ。全部映ってるから」
 乗客:「電車内で押されたんですよ、電車内で」
 駅員:「いいよ、後で見るから。とりあえず交番行くからな。待っとけ」
 乗客:「なんで交番行くんですか?」
 駅員:「よく考えてみろ、電車止まってんだよ」
 乗客:「取ってくれないからじゃないですか」
 駅員:「そういう態度、何とかせぇよ、お前」
 乗客:「なんで僕、交番に行かなきゃいけないんですか?」
 駅員:「当たり前だろ、電車止めてんだよ。山手線、止めてんだよ!!」
 乗客:「取ってくれないじゃないですか、ずっと」
 駅員2:「取るために来たんですよ」
 乗客:「帰ったじゃないですか」
 駅員2:「今、来たんですよ」
 駅員:「きょう、帰れねぇからな。悪いけど。警察行くから、きょう、帰れない。事情聴取なげぇから」
 乗客:「なんでですか!?」
 駅員:「なんでじゃねぇよ!」
 乗客:「だって、どっか行ったじゃないですか。お金、飛んじゃったんですよ」
 駅員:「いいから待ってろ。取ってやるから。ゆっくりやろうぜ」
 乗客:「意味分かんない」
 駅員:「その態度まず直せ、な?」
 乗客:「だから…」
 駅員:「そういう態度、直せ」

■説明の最中に…乗客が電車“非常停止”

 動画がSNSに投稿されると、たちまち拡散。賛否が分かれています。

 SNSの書き込み:「これは駅員に同情する。どれだけ多くの人に影響が出るのか理解してるからこそ、ここまで温度感が上がるのであろう」「人命以外でインフラ止めたやつが悪い。駅員さん、かわいそすぎるやろ」

 なぜ駅員は、ここまで激怒したのでしょうか?

 JR東日本に取材すると、トラブルに至った経緯について、次のように説明しました。

 JR東日本:「ホームから線路をのぞき込むお客様がいたので、駅員が線路から離れるよう声を掛けました」

 すると、男性は「財布を落とした」と話しました。財布の中には4万円が入っていたといいます。

 JR東日本:「すぐに降りて取ることはできないので、安全な場所に下がって頂き、これから拾いますという説明をしている最中に、お客様が非常停止ボタンを押しました」

 そして、山手線は止まったのです。この時、財布は拾われましたが、飛び出した現金まで集める時間はなかったということです。

 乗客:「お金、飛んじゃったんですよ!」
 駅員:「止まってるじゃねぇか、電車が!!山手線、止めてんだぞ!!!」
 乗客:「4万円も財布から出てたんですよ」
 駅員:「相当高くついちゃってるぞ、これ。止めてんだからよ、電車」
 駅員2:「皆さん、迷惑かかっています」
 乗客:「しょうがないじゃないですか。お金、落ちちゃったんですから」

■電車1本が遅延…その後は警察が対応

 トラブルが起きた午後8時ごろは、3分~4分に1本の割合で電車が発着しています。

 JR東日本によりますと、男性が緊急停止ボタンを押したことで、渋谷駅に入ろうとしていた電車1本が2分の遅れとなりました。

 駅員:「こんだけの人に迷惑かかってるんだよ」
 乗客:「取ってくれなかったじゃないですか」
 駅員:「取るよ、何なんだよ、その態度。取ってもらおうって態度じゃねぇだろ、まず」

 騒動が起きた渋谷駅のホームは、人が増え、混乱状態になったため、その後の対応を警察にお願いしたといいます。

 JR東日本は今回の件について、「今回は、安全を守るという駅社員の使命感があったもので、その際に行き過ぎた言葉遣いがあったことは、大変申し訳なくおわび申し上げます。前段にお客様が身を乗り出していて危なくて、そこでお客様にお声掛けをしてというところからスタートしてますので、安全を最優先してという考えで、今回、口調が強くなってしまったというのはあります」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年7月7日放送分より)

[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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