東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の元理事が、大会スポンサーから約4500万円を受け取っていた問題。東京地検特捜部は26日、元理事の関係先や大手広告会社「電通本社」などへの強制捜査に乗り出しました。捜査の見通しは?
■疑惑の元理事「AOKIの『あ』の字も出したことがない」
電通の元専務で、東京オリンピックパラリンピック大会組織委員会の高橋治之元理事は、JNNの取材に「組織委員会の理事としてAOKIの『あ』の字も出したことがないし、なんのアクションもしていない」と疑惑を強く否定していましたが、26日、高橋元理事の自宅に特捜部が捜索に入りました。
今回の疑惑は、高橋氏が代表を務めるコンサルティング会社が、大会スポンサーの紳士服大手AOKI側と2017年にコンサル契約を締結。
以降月100万円、総額で約4500万円を受け取っていたというものです。
捜索の容疑は「受託収賄」、大会組織委員会の理事は「みなし公務員」で、職務に関して金品を受け取っていれば収賄罪に抵触します。
AOKIは大会組織委員会とスポンサー契約を結びライセンス商品を販売。オリンピックのエンブレム入りスーツ、約3万着を売り上げていました。
■「電通の幹部には高橋さんに世話になった人も多い」
そのスポンサー企業を担当する大会組織委員会のマーケティング局には、電通から多くの社員が出向。また局長も電通出身でした。そして、高橋も電通の元専務だったのです。
大会関係者
「高橋さんは日本のスポーツビジネスの第一人者で、IOCのバッハ会長とも話ができる。電通の幹部には高橋さんに世話になった人も多いはずだ」
関係者によりますと、AOKIホールディングス創業者の青木拡憲前会長は特捜部の任意の聴取にこう述べたといいます。
「高橋さんの人としての力に期待した」
一方、高橋氏は取材に対しAOKIに特別な便宜を図ったことはないとしています。
■AOKIだけじゃない可能性も
五輪を巡る金の疑惑は、他のスポンサーにも広がる可能性があると、元東京地検特捜部副部長の若狭氏は指摘します。
元東京地検特捜部副部長 若狭勝 弁護士
「高橋さんが組織委員会においても力があった。そしてスポンサーも多くいろいろといたとすると、AOKIだけではなく、他のスポンサーとの絡みでも、何らかの便宜供与を図っている可能性はあるのではとの見方を特捜部はしているのは十分にあり得る」
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