安倍元総理の銃撃事件をきっかけに「旧統一教会」に注目が集まるなか、母親の影響などで入会した、いわゆる「2世信者」だった女性がその苦悩を明かしました。

 山上徹也容疑者(41)が「家庭を壊された」とする「世界平和統一家庭連合」、かつての「統一教会」。

 その実態は、どのようなものなのでしょうか。

 元2世信者(40代):「信仰2世であります。母親がまず統一教会に“導かれる”という言い方をするのですが、母親が統一教会に通うようになってから、すべてが、家のことすべてが統一教会の教えに変わっていきました」

 そして、女性も旧統一教会に入信することになったといいます。

 元2世信者:「母の言われる通り、統一教会の、名前は伏せられていましたけれど、ビデオセンターというところに通って、そこから洗脳が始まっていきました」

 21歳の時、女性は結婚しました。統一教会の創始者・文鮮明(ムン・ソンミョン)氏が相手を決める合同結婚です。

 元2世信者:「当時は文鮮明のマッチングで合同結婚式を受けることになったのですが、相手は韓国人でした」「家もない職もない彼は日本に渡ってきて、私と一緒に生活をするようになりました。その彼は気に入らないことがあると私は殴る人でした」

 暴力は子どもが生まれた後も続いたといいます。

 元2世信者:「母は『絶対に離婚をしてはだめだ』と言いました。『祝福家庭、“合同結婚式を受けた家庭”が壊れることはサタンが一番喜ぶことだから』」

 母親の目の前でも暴力を振るわれたことから、何とか離婚を認めてもらえましたが、女性はまた結婚をします。再び合同結婚式で…。

 元2世信者:「彼(最初の夫)とは離婚できたんですが、母はとても悲しみました。なぜかというと、統一教会では『夫婦でなければ天国に行けない』と言われていたから。(再婚時は)教会長がマッチングすることに変わっていたんですけど、その相手も学歴、職業、年齢すべて嘘をついて申請をしてきた人でした。(再婚相手に)カードを全部使われてしまい、結局、夫によって自己破産させられるということになってしまいました」

 女性は文鮮明氏の死によって洗脳が解け、教会から離脱することができたといいます。ただ、母親は信仰を続けて孫にも信仰を強要してきたといいます。

 元2世信者:「今は母との縁を切って生活しているという感じです。犯人(山上容疑者)のしたことに関しては何一つ擁護することもないですし、正しいとも思っていませんが、ただ人生を統一教会によって破綻させられた身としては理解できてしまうという苦しい心情はあります。彼(山上容疑者)の本質的な恨みは教会に対する恨み、恐らく。そういう部分では理解できる」

 旧統一教会は多額な献金や霊感商法を巡り、これまで度々、敗訴しています。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)・田中富広会長:「2009年以降の案件で、そのようなトラブルはありません」

 弁護士グループは、これに真っ向から反論しています。

 2009年以降、献金を巡るトラブルはないとした旧統一教会(世界平和統一家庭連合)。しかし、会見した弁護士グループは…。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会・山口広弁護士:「2009年以降、全く問題になっていませんと言っていますが、全くの嘘です」

 弁護士グループが示した判例では、2009年以降にも献金被害による損害賠償が認められています。

 このことに関し、改めて旧統一教会に問い合わせました。

 教会側は「刑事事件は一度もない」「脱会した信者の献金の返金に関する民事訴訟は4件あり、係争中」「やめたいと思う信者を出さないよう努力していきたい」と返答しました。

 被害はまだ続いていると訴える弁護士グループは、こう呼び掛けています。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会・川井康雄弁護士:「献金勧誘行為や信者獲得手法について繰り返し違法判決が下されている(旧)統一教会や、そのダミー組織の活動について政治家の方々が支持するような行動は厳に慎んで頂きたいと改めて切実にお願いしたいと思います」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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