うつ病、適応障害で休職になった方の、休職前期の休養について、精神科医が要点を約6.5分の動画にまとめています。
出演:春日雄一郎(精神科医、医療法人社団Heart Station理事長)

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↓↓内容の詳細は下記になります。

(1)はじめに
今回は休養について,前編をやっていきたいと思います。よろしくお願いします。うつ病や適応障害で休職になった時、よく前期・はじめのうち休養がすごく大事という話を聞くことがあると思います。今はゆっくり休むということではあるんですけれども、ではどのように休んだらいいのですかという質問を聞く場合があります。あと、急用がなかなかできない休まりませんという話を聞くこともあります。
一方で、休養は休職の中で一番まず土台となる大事な要素というところも言えるところがありますので、今回はこの休養というところについてまとめていきたいと思います。

(2)休養→頭を休ませる
休養ということですけれども、一番には頭を休ませるということです。端的に言えば、何もしないということで、とにかくゆっくりする頭を休ませるということです。人によっては寝すぎてしまうということもあるかもしれませんけれども、寝すぎるぐらいだと、それはそんなに問題にはならないと思います。しっかり休むことが大事ということです。

(3)休養は簡単か?
で、こうやって言えば休むということなんですけれども、休むだけだったら簡単じゃないかというふうな意見も聞きますけど、実際はそれがなかなかやりづらいということも少なくないということなんですね。
特に適応障害の方と比べても、うつ病の方でなかなか休養が難しいという方が少なからずいらっしゃいます。

(4)休養を妨げる3つの要素
では、なにが休養を妨げるか、何があって、なかなか休養しにくいかということなんですけれども、主に3つまとめています。
1つ目が不安。不安があって、落ち着かなくて、なかなか気持ちが休まらないという方がいらっしゃいます。2つ目は罪悪感。周りに迷惑をかけている自分だけ休むわけにいかないと、そういう罪悪感によってなかなか休まらないという方がいらっしゃいます。3つ目としては考えすぎてしまうということです。考えがぐるぐる回ってしまって結果休まらないという方がいらっしゃいます。

(5)休養が行いにくい2つの理由
こういったことで休まらないという方もいらっしゃるわけですけれども、ではなんで休まらないかというところに移っていきますと、大きく言うと2つだと思っています。1つ目はうつ病などの症状として休まらないという方。もう一つが考え方のくせとして休まらないという方になります。

(6)症状で、休養が難しい場合
まず症状ということですけれども、うつ病の症状で不安・罪悪感があります。これらがあると、本当は休まなきゃいけないんだけれども、休めないということが出てきます。
この場合は方向が2つありまして、一つは薬でしっかり治療しましょうということが1つ目。もう一つは確かに症状だけれども、これは症状だから、なるべく置いておいてしっかり休みましょうということがもう一つになってきます。とはいえ、なかなかお薬を使っても、何とか休もうとしても、休まらないという場合はあるかもしれません。
本当になかなか休まらない、かつ症状が重い場合は、人によってはいわゆる休養入院といって、休む入院が必要になる場合があります。

(7)くせ・性格で、休養が難しい場合
もう一つの原因が考え方の癖のところになってきます。
どうしても不安が消えないとか、どうしても考えすぎてしまうとか、そういった傾向がある方は一つ要注意なのかもしれません。その場合、症状が長く続いてしまうおそれがあります。一方で、この場合、休養期は何とか休むことができても、その後もなかなか休みづらいということが生じるかもしれないので、長く見たときにはこの休養を妨げる、休みにくくしてしまう考えの癖には取り組んでいく必要があるかもしれません。

(8)休養が大事な理由(体のけがで例えると)
こういう要素があるんですけれども、それでもなお休養はやはり大事です。何で大事かということを最後見ていきたいと思います。よく体の怪我をした時、肘の怪我をして手術をしました。リハビリをしましょうという時、やはり焦ってしまうということはあると思うんです。休ませるのは大事でもやっぱり焦ってしまう。ただ、無理をすると、もっと大きな怪我をしてしまうということになります。
これは、うつ病においての脳の状態とも似ているんですね。脳の怪我というふうに見てもらってもいいのかもしれません。本当は休ませるのは大事だけれども、どうしてもちょっと何とかしないといけないと焦ってしまうというのはこれはよくわかるんです。ただ、そこで無理をすると、症状は長引いてしまったり、もっと悪くなってしまいます。なので怪我した時、焦っても休ませるのが大事というように。うつの場合は焦る気持ちはよく分かります。不安になる気持ちよく分かります。それでもなお、頭を休ませることが大事ということになります。

(9)休養は、休職中期以降も大事
ここまでが、休養においての、休職前期においての休養の大事さなんですけれども、この休養。実はその後も大事になってきます。休養中期後期リハビリをしたり、復帰準備するとき、いろいろ負荷がかかったときにも、やはり休んで回復するということが大事です。さらに言うと復帰したあと、復職後にぶり返しを防ぐために、仕事の負荷がかかったとき
、疲れをしっかりとる・休養をとるということも同じく大事になってきます。これはまた、後編で扱っていきたいと思います。

(10)まとめ
今回、休職前期におきます休養の大切さについて見ていきました。
何よりも、休職の中で頭を休ませる休養ということは大事です。しかし、人によっては症状であったり、考え方のクセであったりというところで、不安や罪悪感があって、休みづらいという方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、体のケガをしたとき休ませることが大事なように、ある種の頭のケガ・「うつ」でも考えたくなるけれども、頭を休ませることが非常に大事です。そのことを踏まえながら、休養の時期を過ごしていただけたらと思います。
今回は、休職前期における休養、休養の前編を話してきました。

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【解説者】
医療法人社団Heart Station 理事長 府中こころ診療所院長 春日雄一郎
精神科医(精神保健指定医、日本精神神経学会精神科専門医)
2005年東京大学医学部卒業、NCNP病院、永寿会恩方病院等を経て、2014年に府中こころ診療所を開設、その後医療法人化し理事長に就任、2021年8月に分院「こころ診療所吉祥寺駅前」を開業。メンタルクリニックの現場で、心療内科・精神科の臨床に取り組み続けている。

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