全国的に伸び悩む、新型コロナの3回目接種。ワクチンの「期限切れ」問題が、愛知でも起きています。

(森本琴衣記者)
「名古屋空港にある大規模接種会場です。接種を待っている人は誰もおらず、ガラガラの状態です」

愛知県豊山町の、県営名古屋空港にある大規模接種会場。1日1000人が接種できますが、最近では平日に接種に来るのは200人ほど。

27日午前の会場は、がらんとしていました。そのため愛知県でもこんな問題が…

(愛知県感染症対策課 榊原秀和担当課長)
「こちらが5月24日で廃棄のワクチンです」

ワクチンの「期限切れ」です。この会場では、5月24日が期限のモデルナ製ワクチンおよそ2万8000回分を廃棄することになりました。

(愛知県感染症対策課 榊原秀和担当課長)
「20代・30代といった若い人でなかなか接種が進まない。モデルナの人気がないというのもある。使用期限が短いものから融通して、なるべく廃棄が出ない形でやっているが、ある程度やむを得ないところもある」

愛知県のワクチン接種率は、1回目と2回目がおよそ85%なのに対し、3回目はおよそ63%にとどまっています。

背景には比較的副反応が軽いとされるファイザーに予約が集中し、モデルナが余る傾向にあったからです。さらに、国のワクチン配分にも問題が。

(愛知県感染症対策課 榊原秀和担当課長)
「通常 使用期限は9か月あるが、(国から)来た段階で、残り3か月の状態のものもあった。3か月で使い切るのはなかなか難しい」

そもそも、期限が短くなっている状態のワクチンが届いたこともあり、愛知県内全体では5月末でおよそ13万9000回分が廃棄される見込みです。

ちなみに、厚生労働省のデータによると、1回あたりのワクチン接種単価=およそ2300円を掛け合わせると、3億1970万円になります。

4回目接種も始まりましたが、このまま接種が進まなければ、また廃棄が起きる可能性があります。

(愛知県感染症対策課 榊原秀和担当課長)
「今あるものの期限は9月。廃棄がないようにしっかり使っていきたい。県としては接種場所は整えているので、ぜひ接種に来てもらえたら」

愛知県では少しでも無駄が出ないよう、うまくワクチンを振り分けようと頑張ってはいますが、10代から30代で3回目接種を受けたのはこれまで半数以下。接種を受ける人が増えない限り、ワクチンの廃棄をなくすにも限界があります。

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