走行中の電車の中で、喫煙を注意した男子高校生に暴行を加え、傷害などの罪に問われた男に対し、懲役2年の実刑判決が言い渡されました。

宇都宮市のホストクラブ元従業員・宮本一馬被告。

今年1月、走行中のJR宇都宮線の車内で喫煙を注意してきた男子高校生に暴行を加え、顔の骨を折る大けがをさせたなどとして、傷害と強要などの罪に問われています。

きょうの判決公判に20分ほど遅刻した宮本被告。坊主頭に黒のTシャツとジーンズ姿で出廷し、冒頭、裁判官らに「すいませんでした」と小さな声で謝罪しました。

宮本被告は、これまでの裁判で暴行を加えた理由について「注意をされてムカついたから」と説明していました。

検察側は「動機は身勝手で悪質だ」などとして懲役3年を求刑し、一方の弁護側は執行猶予付きの判決を求めていました。

そして、きょうの判決…

裁判長
「被告人を懲役2年に処する」

裁判長は「暴行は5分間にわたって、抵抗する意思のない被害者に一方的で執拗に行われた。その動機や経緯に酌量の余地は無く悪質」と、宮本被告の犯行を厳しく非難しました。

宮本被告は判決言い渡しの際、裁判長を見ながら静かに話を聞いていました。

執行猶予を付けなかった理由について裁判長は、「社会復帰後は反省し、再犯に及ばない意向を示している」としながらも、今回は、宮本被告が前に起こした事件の執行猶予の期間が終わって3か月後の犯行だったことなどから「規範意識が乏しい」と指摘し、「執行猶予を付するのは相当ではない」としました。

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