こんにちは。漢詩を読んでみませんか。はまなかひとしです。

今回は、『文選』巻29に収める、「迢迢牽牛星」で始まる古詩十九の第十首を六臣注に即して読みます。

テキストを以下に引用します。

迢迢牽牛星 皎皎河漢女
善曰、毛詩曰、睆彼牽牛、不以服箱、又曰、維天有漢、監亦有光、跂彼織女、終日七襄、雖則七襄、不成報章、毛萇曰、(河)漢天河也
済曰、牽牛織女星夫婦道也、常阻河漢不得相親、此以夫喩君、婦喩臣、言臣有才能不得事君而為讒邪所隔、亦如織女阻其歓情也、迢迢遠貌、皎皎明貌。

繊繊擢素手 札札弄機杼
善曰、韓詩曰、繊繊女手、可以縫裳、薛君曰、繊繊女手之貌。
銑曰、繊繊擢素手、喩有礼儀節度也、札札弄機杼、喩進徳修業也、擢挙也、札札機杼声。

終日不成章 泣涕零如雨
善曰、毛詩曰、不成報章、又曰、瞻望弗及、泣涕如雨。
向曰、終日不成章、喩臣能進徳修業、有文章之学、不為君所見知、不用於時、与不成何異也、泣涕謂王室微弱、朝多邪臣、恐国之亡也。

河漢清且浅 相去復幾許
良曰、河漢清且浅、喩近也、能相去幾何也。

盈盈一水間 脉脉不得語
善曰、爾雅曰、脉相視也、郭璞曰、脉脉謂相視貌也
(良曰)盈盈端麗貌、眽眽自矜持貌、喩端麗之女在一水之間而自矜持不得交語、亦猶才明之臣与君阻隔不得啓沃也。

牽牛織女の伝説を踏まえて、何かの事情で成就できない恋愛を耐え忍ぶ男女の、とりわけ女性の苦悩を詠んだ詩です。

Gǔshī shíjiǔ shǒu zhī shí.
古詩十九首之十

Tiáotiáo Qiānniú xīng,
迢迢牽牛星

jiǎojiǎo Héhàn nǚ.
皎皎河漢女

Xiānxiān zhuó sùshǒu,
繊繊擢素手

zházhá nòng jīzhù.
札札弄機杼

Zhōngrì bùchéng zhāng,
終日不成章

qìtì líng rú yǔ.
泣涕零如雨

Héhàn qīng qiě qiǎn,
河漢清且浅

xiāngqù fù jǐxǔ.
相去復幾許

Yíngyíng yī shuǐ jiān,
盈盈一水間

mòmò bùdé yǔ.
眽眽不得語

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