亡くなった安倍元総理のこれまでの歩みを振り返ります。

■「プロ野球選手」夢見た少年 父の遺志を引き継ぎ“戦後最年少”の総裁へ

1954年、東京都で生まれた安倍晋三元総理。子どもの頃の夢は「プロ野球選手になること」でした。

父は外務大臣を務めた安倍晋太郎氏です。1982年に父の秘書官となり、政治の道を歩むことになりました。晋太郎氏に“生き写し”と言われ、父が総理総裁を目指す活動を支えていました。
 
記者
「トップ当選できれば(父親の))総理総裁の可能性はありますか?」

安倍晋三元総理
「私はそれ…そうなりたいと思います」

1991年、晋太郎氏が急死。安倍元総理は遺志を引き継ぐ格好で93年に初出馬し当選。

安倍元総理
「政治とお金の問題にこれから根本的にメスを入れていくこと。そして腐敗を厳しく防止する法律を一日も早くつくることが一番大切だと思っています」

初当選から10年後の2003年。当時の小泉総理は“サプライズ人事”として、安倍元総理を自民党幹事長に抜擢しました。

小泉純一郎総理(当時)
「当選回数の少ない若手が幹事長っていうのは、想像しなかったでしょ」

小泉内閣のもと、2年後の2005年には官房長官として初入閣を果たします。

安倍元総理
「内閣のスポークスマンという極めて重要な役割ですから、しっかりと責任を果たしていきたい」

■“在任期間7年8か月”第二次安倍内閣 長期政権築いた安倍元総理のこれまでの歩み

“ポスト小泉”の有力候補として、存在感を増していった安倍元総理。2006年に自民党総裁選に挑みました。相手は麻生太郎氏と谷垣禎一氏です。

「よって安倍晋三君が当選者と決定しました」

そして、戦後で最年少の自民党総裁に就任しました。

安倍元総理
「51歳、初挑戦というなかで、身に余る得票をいただいた。目指す日本は“美しい国、日本”であるということを訴えて参りました」

その後、2006年9月に、第90代内閣総理大臣として第一次安倍内閣が発足。しかし、松岡農水大臣が事務所費問題などを受けて自殺。その後も不祥事が相次ぎ、2007年の参院選挙で民主党に大敗を喫することに…

安倍元総理(2007年9月)
「本日、総理の職を辞するべきと決意をいたしました」

1年足らずで、退陣を余儀なくされた安倍元総理。後に退陣の理由について「潰瘍性大腸炎が悪化した」と明かしています。

辞任から5年後の2012年、自民党総裁選に再び出馬。石破元防衛大臣らを破り、総裁に返り咲きました。年末に行われた総選挙では、与党民主党を破り、第二次安倍内閣を発足させました。長期政権の始まりです。

安倍元総理(2013年9月 米・ニューヨーク)
「 世界経済回復のためには3語で十分です。Buy my Abenomics!」

第二次政権では、大胆な金融緩和や財政出動などを特徴とする経済政策“アベノミクス”を推し進めて行きました。

2015年9月には、安全保障の分野では論争を呼ぶ、アメリカとの集団的自衛権の行使を部分的に可能とした「安保法制」を成立させました。

いわゆる“安倍一強”として長期政権を築いていく安倍元総理。

安倍元総理(2017年2月)
「私や妻が関係していたなら、これはもう総理大臣も国会議員も辞めることは、はっきり申し上げておきたい」

在任中には「森友学園」や「加計学園」をめぐる問題で追及を受けました。

デモ
「安倍やめろ!安倍やめろ!」

安倍元総理
「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」

また、「桜を見る会」では前夜祭の費用を安倍事務所が補てんしていましたが、安倍元総理は国会で否定。事実と異なる答弁をしていたことが問題となりました。

安倍元総理(2020年12月)
「私が知らない中で行われていたこととはいえ、道義的責任を痛感しております」

外交面では、アメリカのトランプ大統領とゴルフを重ね、親密さをアピール。

アメリカ トランプ大統領(当時)
「彼と握手してハグした。そういう気持ちになったからだ」

ロシアのプーチン大統領とは27回も首脳会談を重ねました。

安倍元総理(2019年9月)
「ウラジーミル、君と僕は同じ未来を見ている。ゴールまでウラジーミル、ふたりの力で駆けて、駆けぬけようではありませんか」

第二次政権では在任期間2822日、7年8か月を記録。憲政史上、最長となりました。

そして2020年8月、持病の潰瘍性大腸炎が再発したとして任期途中で退陣を表明。会見ではこんな心情を明かしました。

安倍元総理
「拉致問題をこの手で解決出来なかった事は、痛恨の極みであります。ロシアとの平和条約、憲法改正、志半ばで職を去ることは…断腸の思いであります」

退陣後は最大派閥「安倍派」の会長を務め、政府与党内に強い影響力を持ち続けていました。

                  

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