「安倍元総理の棺を乗せた車が、増上寺を出発しました。安倍元総理に最後のお別れを言おうと、多くの方が集まっています」。(津田アナウンサーリポート)
安倍元総理を乗せた車は、永田町の自民党本部を通過したのち、長年総理大臣として過ごした総理官邸に向かいました。総理官邸では岸田総理ら総出で車を見送りました。その後、国会議事堂の前を通過した車は、斎場へと向かいました。
山上徹也容疑者(41)について捜査が進み、事件前の様子や動機について少しずつ明らかになっています。
警察によりますと、事件前日に試し撃ちをしたとされる宗教団体の関連施設周辺で、弾丸とみられる金属片がみつかったということです。周辺の防犯カメラには、同じ時間帯に山上容疑者が運転しているとみられる車が映っていました。
宗教団体に対し、山上容疑者は「母親が宗教に金を払いすぎて破産した」「安倍元総理がその宗教団体と関係があると考え、殺そうと思った」といった恨みも供述しています。
11日午後、統一教会から名前を変えた世界平和統一家庭連合が会見を開きました。旧統一教会は、山上容疑者の母親が教会員であることを明かし、破産の事実を知っていたとしました。
「破産されているということを知っていた立場で、さらにそこに献金を願う、要求するといったことはありません」。(世界平和統一家庭連合 田中富広会長)
会見で、母親の破産について、容疑者本人と教会側の間でトラブルにはなっていないとしました。ただ、旧統一教会は過去に献金をめぐりトラブルに至るケースも珍しくありませんでした。
30年前の韓国・ソウルでは、創始者の文鮮明氏(ムン・ソンミョン氏)が日韓から集めた、約2万組の信者による大規模な結婚式が行われました。こうした活動の中で、不安をあおって印鑑や壺を高額で買わせる「霊感商法」が多発し、世間を騒がせました。
11日の会見で、過去のトラブルについて問われた教会は、「当法人も末端に至るまでコンプライアンスの徹底を進めてまいりました。献金に対する姿勢も含め、変わってきたと思っております」と説明。
一方、山上容疑者は、安倍元総理を狙った理由について「安倍元総理がビデオレターを投稿していることなどを見て、殺すしかないと思った」と話しています。
安倍元総理は去年9月、旧統一教会の創始者が作った別の団体のイベントにビデオメッセージを送っています。教会は会見で「あくまで教会とは別の友好団体である」としました。
「憶測ですが、(山上容疑者は)当法人と友好団体の区別がついていなかったのではないか」(田中富広会長)。
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