安倍総理を銃撃し逮捕された山上徹也容疑者が、事件前日の7日未明に「恨みを持っていた宗教団体の関連施設に向けて、自作の銃を試し撃ちした」という趣旨の話をしていることが分かりました。

奈良市内で11日、『統一教会』から名称を変えた宗教団体『世界平和統一家庭連合』の関連施設が入るビルの隣の建物で、壁にいくつもの丸い穴が空いているのが確認されました。

近くに住む複数の住民は、銃声のような音を聞いていました。

近隣住民:「時計見たのが(7日午前)4時ぐらい。就寝していました。起きるくらい大きな音だった。ボーンという感じだった。(Q.寝ていても気付くような?)気付きます。あの音に気付かないわけない」

近隣住民:「(7日朝の)3時半から4時半まで、その時間帯でバーンって大きな音がした。(Q.銃声みたいな?)普通バーンって鉄砲とか」

警察によりますと、山上容疑者の車両らしき車が、近くの防犯カメラに映っていたといいます。

事件前日、山上容疑者がなぜ試し打ちに及んだのか、理由は分かりません。ただその後、山上容疑者は、安倍元総理の演説が行われる岡山に向かったと見られます。

山上容疑者:「手荷物検査があり、会場には入らなかった」

そして翌日の8日。屋外で不特定多数の聴衆が集まる街頭演説。山上容疑者はここで銃の引き金を引きました。

3人兄妹の真ん中だった山上容疑者。小さい頃は、祖父が経営する建設会社によく遊びに行っていたといいます。

建設会社の関係者:「(Q.家庭は裕福だったのか?)そうですね。社長の孫になりますから。(Q.祖父も孫をかわいがっていたか?)かわいがっていましたよ。『てっちゃん てっちゃん』と言っていた」

ただ、ある出来事をきっかけに一家は変わっていったといいます。

山上容疑者の親族:「幼いころに父親が亡くなった後、母は宗教に入った。(親族へ)かなり激しい勧誘もあったが、祖父は娘が小さい子3人を抱えたまま、夫を亡くしたつらさを癒すため、宗教に依存するのは仕方ないと思っていたと思う。母が金をつぎこんでも祖父がいたころはまだ良かった」

一家を金銭的に支えていたのは祖父だったといいます。しかし、山上容疑者の高校卒業前に、その祖父も亡くなり、一家は困窮していったとみられます。

山上容疑者:「母親が宗教に金を払いすぎて破産した。恨みがあった」

山上容疑者の母が入会している、世界平和統一家庭連合は11日に会見を行いました。

世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「山上徹也容疑者の母親は当法人の教会員であり、これまでも1カ月に1回程度の頻度で、教会の行事に参加してまいりました。このご家庭が破綻された諸事情は、私どもも把握しておりません。ただ、破綻されていたことは知っております。その後、このご家庭に高額献金を要求したかどうかの事実は、記録上一切残っておりません」

山上容疑者の母が献金した額については、捜査中のため言及できないとしつつ「献金は本人の意思であり、強要することはない」としました。

これまで「この宗教団体とつながっていると思い、安倍元総理を狙った」と供述している山上容疑者。さらに「安倍元総理がビデオレターを投稿していることなどを見て、殺すしかないと思った」という趣旨の供述をしていることが新たに分かりました。

世界平和統一家庭連合・田中富広会長:「(Q.安倍元総理とはどのような関係か?)私たちの“友好団体”が主催する行事に、安倍元総理がメッセージ等を送られたことはございます。ただ『家庭連合』の会員として登録されたこともありませんし、顧問にもなったことはございません。なぜ安倍元総理と当法人がつながっているとみたかですが、臆測ですが、当法人と友好団体の区別がついていなかったのではないか。どちらも創設者が一緒なので、すべてが同じに見えていたのかなと」

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捜査関係者によりますと、山上容疑者は「(宗教団体の)トップが日本に来た時に殺そうと思っていたが、来ないので諦めた。この宗教団体と関係していると思い、安倍元総理を狙った」という主旨の話をしているということです。

逮捕当初、山上容疑者は「自作の“銃”は複数作っていて、今年の春頃にはできていた」「自分で作り方を調べて部品を買い、火薬もネットで購入した」と話しているということです。

自分で銃が作れてしまう危険性について、銃器ジャーナリストの津田哲也氏に聞きました。

津田哲也氏:「個々の部品に違法性はなく、誰でも入手が可能。『武器等製造法』厳罰化ぐらいしか対応策がなく、規制は難しい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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