参議院選挙投開票日を前に、精力的に応援演説を行っていた安倍元首相が8日、銃撃を受けました。安倍氏のこれまでの政治活動を振り返ります。

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安倍元首相が銃撃されたのは、奈良市の駅前。集まった人たちを前に、応援演説を行っているさなかでした。

安倍晋三元首相
「みなさんこんにちは。安倍晋三でございます」

参議院選挙が先月22日から始まり、安倍氏は全国各地の候補者のもとを訪れ、精力的に応援演説を行っていて、そこでは、強い言葉で野党を批判する場面もありました。

安倍元首相(先月23日)
「こんな間違った政策を進めていく、そんな野党に、ここの議席を渡すわけにはいかないじゃありませんか」

安倍元首相(先月29日)
「共産党も(自衛隊を)憲法違反だと言っていますよね。おかしいじゃありませんか」

安倍氏はこれまで、異なる意見には対決姿勢を鮮明にすることで、求心力を高めてきましたが、5年前には、いわゆるアンチが演説におしかけたこともありました。

「安倍辞めろ! 安倍辞めろ」

安倍元首相(東京・秋葉原 2017年7月)
「こんな人たちに皆さん、私たちは負けるわけにはいかない!」

野党批判をほとんどしない岸田首相とは、対照的です。岸田首相とは当選同期でもあり、選挙戦では次のような話もありました。

安倍元首相(先月26日)
「平成5年の初当選、私も若かった、38歳。肌もつるつるでしたよ。 岸田さんはね、35歳。当時は歌舞伎役者みたい。自民党本部に入りますと、受付の女性が岸田さんを見て、うっとりしている。私たちはそれをみて、みんな不愉快になったんです。28名いる同期で一番男前は岸田文雄。一番人柄がいいのが、安倍晋三と言われていたんですよ。ここで拍手がなかったら、どうしようかと思っていましたが」

冗談をまじえながらも、ライバル心ものぞかせました。

選挙戦の演説では、防衛費などについて岸田首相よりも踏み込んだ発言をすることもあり、自民党最大派閥の長として存在感を示していました。

安倍元首相(先月22日)
「防衛費を思い切って増強していく必要があります。NATO(=北大西洋条約機構)は30か国あって、1か国も例外なく全てGDP(=国内総生産)比2%」

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事件を受け、岸田首相は急きょ、東京に戻りました。

岸田文雄首相
「まずは安倍元総理が、なんとか一命を取りとめていただくよう、心から祈りたいと思っています。(犯行は)卑劣な蛮行であり、決して許すことはできない。最大限の厳しい言葉で非難をいたします」

記者から今後の影響について質問されると、岸田首相は「今後の政局に与える影響等は、今触れるべきではないと思いますし、私自身そうしたことを考えておりません。まずは現実の厳しい状況に対して、救命措置等がしっかりと行われる、政府としてはあらゆる事態に対応できる万全の措置を用意をする」と述べました。
(2022年7月8日放送「news every.」より)

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