埼玉・桶川駅の近くに130年以上、地元に愛されている和菓子店があります。親から店を継ぎ、切り盛りしていたのは「元ギャル」でした。

 榊萌美さん(27)。1887年から続く和菓子店の6代目です。老舗の女将にしては、ちょっとカジュアルないでたちですね。

 をかの6代目女将・榊萌美さん:「ダイエットしてるけど、食べたくなっちゃうかも。アイスとか」

 まだ客のいる店内で、洋服のストラップを両手でくるくる。榊さんもしかして・・・。

 をかの6代目女将・榊萌美さん:「小学生のころの自分が、まっすぐ前を見て『お店を継ぎます』って言ってて。なんかその、はっきり言い切った自分をすごくかっこよく感じて。今の駄目な自分よりも、その時のかっこいい自分を信じてみようかな」

 授業もさぼりがちになり、宙ぶらりんの状態だった大学時代。ふとしたきっかけで小学生のころの自分の姿を見たことが、店を継ぐきっかけでした。

 女将になった榊さんが取り組んだ商品の一つが「葛きゃんでぃ」。一日、全く売れないこともあった葛のゼリーを凍らせたものです。

 をかの6代目女将・榊萌美さん:「母から『あんたゼリー好きだったのに、なんで食べなくなっちゃったの?』って言われて。『私は、ゼリーが好きなんじゃなくて、凍らせたゼリーが好きなんだ』って言ったら『あっ!』って。そのまま、葛の問屋さんに電話して『これってアイスになりますか?』って聞いたら『アイスとして販売できますよ』って言って下さったので」

 誕生のきっかけは、幼いころに好きだったおやつでした。即決で商品化したところ通販で火が付き、生産が追い付かないほどの売れ行きになりました。

 その秘密は、アイスなのに「溶けない」こと。つまり、アイスとプルンとした葛の2つの食感が楽しめる、唯一無二のアイスなのです。

 女性客:「9本、買いました」「4本食べてストレス解消です」「頭がキーンとこないので、すごく食べやすくて、腹持ちもいいので大好きです」

 Z世代の若き女将、榊さん。集客のため、当然のように利用しているものがあります。

 女性客:「ツイッターで女将のことをフォローしてたので、それで知りました」

 この日は、父の日に向けて販売する新しい商品をインスタグラムとツイッターに投稿。ただ映えるだけでなく、商品を購入できるページのリンクを貼るなど工夫を凝らした投稿になっています。

 をかの6代目女将・榊萌美さん:「(投稿は)その場で、ノリと勢いで」

 インスタグラムのフォロワーは9000人余り。SNSとの関わり方には、榊さんなりのこだわりがありました。

 をかの6代目女将・榊萌美さん:「SNSで伸ばしたほうがいいものだとは思うんですけど、伸ばすことを考えると、やらなきゃいけない義務になっちゃって楽しくなくなってしまうので。苦にならないように楽しく、日記のように発信してます」「毎月、手書きで書いたチラシを夜中に配るというのをずっとやっていて、1000枚配って3客来ればすごくいいほうだと思うんですけど、チラシを持って来て下さったお客様がいて。お客様の事を改めて大切に思うという、根の部分というんですかね。一番、大切にしなきゃいけない部分を改めて感じられたので、良かったなと思いました」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp

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