4月ですが、季節外れの暑さが続いています。この春の急な暑さで、気をつけないといけないことをしっかりと確認します。「春の熱中症を防ぐには」、「熱中症になりやすい人」、「食中毒の予防方法」、「弁当作りの落とし穴」の4つのポイントについて、詳しく解説します。
■夏日も…4月に季節外れの暑さ
東京都心の最高気温を見てみると、4月初めは10℃前後と平年より低い日が続いていました。しかし、5日から気温が上昇し、10日は26.8℃、11日は24.7℃、12日も25.6℃と夏日になり、急に暑くなりました。この暑さは、13日まで続く予想です。
■「春の熱中症」とは?医師に聞く
気温が25℃を超えると、春でも熱中症に注意が必要ということです。せたがや内科・神経内科クリニックの久手堅司院長に、「春の熱中症」についてうかがいました。

まず、人間の体は暑くなると、汗を出して、体温調節をしているそうです。例年は、徐々に気温が上がり、汗を出す夏の体に変わっていくといいます。

しかし、今は、まだ汗が出にくい春の体のままなのに、今年は急に気温が上がってしまいました。そのため、汗で体温調節ができず、体に熱がこもってしまって、「春の熱中症」が起こりやすい状況になっているということです。

また、新型コロナウイルス対策で着けているマスクも、熱中症を引き起こしやすい要因の1つです。「マスクで顔周りに熱がこもりやすいこと」、「のどの渇きにも気づきにくく、水分をとるのを忘れやすくなること」が理由として挙げられます。

■「春の熱中症」 どういう人がなりやすい?
では、どういう人が熱中症になりやすいのでしょうか?せたがや内科・神経内科クリニックの久手堅院長は、次のように指摘しました。

・手足が冷たい人
冷え性だと汗をかきにくい体質になっているそうで、体温調節が難しくなるといいます。

・汗っかきの人
体から出る水分が多いのも、逆に要注意だということです。外遊びをする子供も、汗かいたら水分補給を徹底するようにしてください。

・お茶やコーヒーなど多くとっている人
お茶・コーヒーなどは利尿作用があり、水分をとっているつもりでも、実は体に必要な水分が体外に出ていってしまう可能性があるそうです。

他にも、汗をかきにくい高齢者なども注意が必要です。

■「春の熱中症」にならないための対策とは?
久手堅院長によると、春の熱中症を防ぐために、次のような対策があるといいます。

・帽子をかぶる
・厚着をせず、1枚プラスアルファで着られる上着を用意して、気温の変化に対応
・冷たい水ばかりではなく、スポーツドリンクのような塩分が入った飲み物をこまめにとる
・外に出る時間を長くしない

この時期でも、25度を超える日は油断しないことが大事だということです。
■「春の食中毒」意外な落とし穴 お弁当のあるNGとは?
気温が上がると、もう一つ気をつけないといけないのが、「食中毒」です。この春、進学して、お弁当作りが始まったり、暖かくなったりして、外で弁当を食べるという人も多いかもしれません。

ただ、意外な落とし穴があるので、要注意です。

画像のお弁当の中で、ミニトマトはNGです。彩りがきれいだからということで、入れる人も多いと思いますが、丸ごと入れるのは良くないということです。農林水産省によると、へたの周りのくぼみに、水で洗っても細菌が残ってしまうことがあるそうです。洗う前にへたを取って、水分を拭き取ってから、詰めた方がいいということです。

ちなみに、大事なご飯については、酢飯にしたり、酢を混ぜて炊くと、食中毒菌が増えることを抑えることができるそうです。腐りにくくなって、お弁当には向いているということです。

■食中毒予防「○×クイズ」 作り置きをそのまま弁当に入れると… 
続いて、もう一つ、農水省が作成した「○×クイズ」があります。

・「朝は忙しいから」と、前の日の作り置きをそのまま弁当に入れる。○か?×か?

・ソースやケチャップの調味料を別で持って行って、食べる直前にかける。○か?×か?

・作り置きをそのまま弁当に入れるのは、×
冷蔵庫や冷凍庫に保存していても、弁当に入れて持ち運ぶ時に、食中毒菌が増えてしまうことがあるということで、必ず再加熱をして、よく冷ましてから、詰めることが大事だということです。

・ケチャップなどを別で持って行くのは、○
調味料には水分が多く含まれているので、その他の食材に付いてしまうと、食中毒菌が増える原因になりやすいということです。

■「食中毒」防ぐ3つの大原則とは?
弁当で食中毒を防ぐための3つの大原則を紹介します。

1) つけない

食中毒菌をつけないよう、手や弁当箱をきれいに洗ってください。

2) やっつける

しっかりと加熱して、菌をやっつけてほしいということです。卵焼きは半熟もおいしかったりしますが、完全に固まるまで加熱してください。ハムやかまぼこなどは、そのまま直接入れたくなりますが、できるだけ加熱した方がいいということです。

3) ふやさない
菌を増やさないよう汁気や水気はよく切って、冷ましてからふたをしてください。持ち歩きは、保冷剤や保冷バッグを活用してくださいということです。

     ◇

急な暑さで、心も体も準備が追いついていないという人も多いと思いますが、春であっても、「熱中症」「食中毒」には油断は禁物です。今回紹介したポイントなどを上手に押さえて、気温の変化にも順応していきたいです。
(2022年4月12日放送「news every. 」より)

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