Taichi Sakaiya, President, Asia Crime Prevention Foundation
刑事司法の国際協力を支援する国連NGOアジア刑政財団が日本治安の良さをPRする手帳『安全な国 日本』を発行。手帳の発案者で財団会長の作家・堺屋太一氏が手帳について話し、記者の質問に答えた。
司会 山﨑登 日本記者クラブ企画委員(NHK)
http://www.jnpc.or.jp/activities/news/report/2015/07/r00031258/
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記者による会見リポート(日本記者クラブ会報2015年8月号に掲載)

日本は安全だけど何か面白みがない

官僚として大阪万博(1970年)を企画したり民間人として経済企画庁長官を歴任した経済通として知られるが、治安問題にも関心を寄せる。冒頭から日本が世界でどれだけ安全な社会なのかを、殺人や交通事故の発生件数などの数字を列挙して説明してみせた。治安の良さをPRする手帳「データでみる安全な国 日本」を発行した「アジア刑政財団」会長としての会見だった。

安全・安心・正確・清潔。4つのキーワードを日本の美点として何度も挙げ、「全国民、全世界の人に知ってもらいたい」と述べた。

しかし、安全安心ばかりが重視される社会への不満の方が本音だったかもしれない。「安全・安心・正確・清潔になる一方、社会に面白みがなくなった」「途方もない安全志向になったが、気をつけないと、監獄国家になる非常に危険なところだと思う」。次々と聴衆に警告を発した。

現在を、明治の強い日本、豊かな社会を目指した戦後日本に続く「3番目の日本」と位置づけ、「次は楽しい日本に」と呼びかけた。段階的に移民を受け入れた方が良いと述べるなどの発言からは規制嫌いの大阪人らしさもうかがえた。

毎日新聞社会部
長谷川 豊

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