愛知県一宮市にある「浮野養鶏」。鶏、およそ18万羽を飼育し、一日およそ16万個の卵を生産しています。販売先は、小売店をはじめ、加工業者・飲食店など様々。

いまの心配事は…

(浮野養鶏 山崎雄一郎取締役)
「ニワトリのエサの高騰です」

エサには、トウモロコシや大豆の搾りかすなどが使われていますが、そのほとんどをアメリカなどから輸入。そのため、円安の影響で2年前と比べなんと、5割ほど値上がりしているといいいます。さらに。

(浮野養鶏 山崎雄一郎取締役)
「原油価格の高騰によって、配送コストや(卵のパックなどの)放送資材費が高騰しています。値上げせざるを得ない状況です」

我慢も限界。7月1日の出荷分から、価格を1キロ当たり10円から20円値上げする予定だといいます。

鶏卵の場合、生産費の半分以上がエサ代と言われます。

4月、卸し最大手の「JA全農たまご」が、もうエサ代の大幅上昇には耐えられないと、出荷価格の引き上げを発表。

その根拠として発表したグラフが、農水省の飼料月報の数字です。

1トンあたり、2011年は5万5000円あまりだったのが、現在8万5000円を超えています。

安いエサに切り替えると、卵の品質にも関わるので、生産者は、エサをそう簡単に変えるわけにはいかないのです。

オムライス専門店 「今は我慢…」
一方、こちらは同じく愛知県一宮市にある、オムライス専門店「イーグル」。
50種類以上のオムライスを提供し、多い日には1日、およそ30キロの卵を使います。
仕入値は2年ほど前と比べると、およそ1割上がっているといいます。

(「イーグル」 杉田篤哉さん)
「正直一番使う食材なので、厳しいですけれど、今のところは現状維持で頑張っていきたい」

杉田さんは、いまはまだ我慢できるとしながらも、これ以上、仕入れ値がアップするとメニューの値上げを考えざるを得ないと言います。

この状況を受けてお客さんは…

Q.もしも値上げしたら?
(70代女性)
「キツイ。ランチは安いほうがいい」

(70代男性)
「適正な利益をあげてもらった方が(お店が)長く続くから、経営的には(値上げが)一番いいと思う」

物価の優等生「卵」の値段に影を落とす事態。今後のウクライナの情勢次第では、エサ代の更なるコスト上昇が危惧されます。

これから食卓にじわじわ影響してくる気配です。

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