幅広い料理に使えて安い。『家計の味方』や『食卓の優等生』なとど呼ばれてきた『もやし』も値段が高騰しています。これまで価格があまり変動してこなかったのに、なぜ値上げされる事態となったのか、調べてみました。

 いろんな料理に使え、安い。そして価格があまり変動しないことから『家計の味方』や『食卓の優等生』ともいわれてきた『もやし』。現在の価格について、名古屋大須のスーパー『サノヤ』で話を聞いてきました。

「今のところは値上げをせず、そのままの値段で販売しています。仕入れ価格は、だいたい2割ほどは上がっています」(サノヤ青果部 永田善夫さん)

 4月に入り、徐々に仕入れ価格が高くなり、店頭に21日並んでいた『もやし』は、3月と比べて、仕入れ価格が2割も高いといいます。サノヤの永田さんによると、今後さらに上がる可能性もあるということです。元々の単価が安いものの仕入れ値が上がるのは店にとって痛手ではないのか聞いてみると。

「数をかなり売って、売り上げが少し上がる商品ですので、特にもやしは少しでも上げてしまうと、すぐに手に取ってもらえなくなる。なので、今のところは今の価格で値上げせずに販売している」(永田善夫さん)

販売側も悲鳴「これ以上は値段も上げざるを得ない」

 価格が安定していることで、お客さんも迷わず買い物カゴに入れる『もやし』。仕入れ価格が上がったからと言って、店頭価格にすぐに反映してしまうと手に取らない可能性があるため、サノヤでは、当面は価格を据え置くつもりでいるといいます。

 もやしの高騰について、お客さんたちは…

「えー、もやしもかって感じですね」(お客さん)
「野菜炒めとか汁物系とかにも使う」(お客さん)
「救世主みたいだったので残念です」(お客さん)
「料理すると、かさましもできるもんだから、安くて使い道があって、お助け食材なんだけど。30円とか40円で買えるから、それが2割くらい上がったとしてもめっちゃくちゃは家計には響かないけど、今までよりは高いから買い控えはするかも」(お客さん)

「まだ踏ん張りたいとは思っているんですけど、これ以上、上がるっていうことであれば値段を上げざるを得ないところにまできている」(永田善夫さん)

もやしの原料にあたる『緑豆』が高騰

 もやしは工場で栽培でき、気候に左右されないためこれまで値上げとは無縁でした。

 2010年から2020年の平均価格を見ても、29円から31円のあいだを行き来し、ほぼ変わらないと言ってもいいぐらいです。

 では、なぜ今、もやしは高くなっているのでしょうか?もやしの生産者によると、まず1つ目の理由が…

「原料が大変高騰しているんです。一時期からすると5割くらい上がっている」(旭物産 林正二社長)

 もやしの原料にあたる『緑豆』が高騰しているといいます。

「中国も大変経済発展が著しいです。緑豆を栽培していた畑で、より収入が得られる作物に変換している」(林正二社長)

 緑豆は、日本の畑の土や気候では栽培に向かないため、中国からの輸入に頼っている状態です。その中国の栽培農家が、今、緑豆を作らず、より儲かるトウモロコシなどを作るようになり、緑豆が激減。日本に入っている量も減っているといいます。

原油の高騰で生産者はダブルパンチ

 そして、2つ目の理由は…

「燃料関係というのは、大変価格が上がっている」(林正二社長)

 もやしを育てるためには、工場の温度管理を徹底する必要があり、現在の原油の高騰も重なることで、生産者側にとってはダブルパンチの状態だといいます。

「電気代も上がっています。あと包装資材も上がっています。人件費も上がっています。物流費も上がっています。もう全て、生産コストが上がっているのですね。昨年の5割増しというのが今の状況なのです」(旭物産・林正二社長)

 この先、もやしが『食卓の優等生』ではなくなる日が近いかもしれません。

(4月22日 15:40~放送 メ~テレ『アップ!』より)

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