いつでも比較的安定して買うことができる卵にも値上げの波が。困った時には卵料理…ということが難しくなるかもしれません。一方で、今、お得に買える魚介類もあるといいます。

 一定の価格を保ち続けることから、“物価の優等生”とも呼ばれる卵。

 そんな卵に押し寄せている“値上げの波”、背景にあるのがエサ代の高騰です。

 「ここ10年で飼料代が最も高くなっています。2020年の12月から、今にかけて2万円以上1tあたり上がっています」(デイリーファーム 市田旭宏 専務)

 16万羽を飼育し、1日10万個以上の卵を生産している愛知県常滑市の養鶏場「デイリーファーム」。

 農林水産省のデータによると、鶏のエサの価格は10年前と比べると、6割ほど値上がりしていて、2021年から2022年にかけては、急激に上昇しています。

鶏のエサ代が急上昇 「品質の良い卵を1個でも多くの食卓に…」

 鶏のエサには、トウモロコシや大豆などの穀物が使われていて、そのほとんどは、海外からの輸入です。

 「高騰の原因が1ドル135円の円安とウクライナ情勢などによる穀物飼料原料の高騰、それが本当に大きいです」(デイリーファーム 市田旭宏 専務)

 生産コストの半分以上が、エサ代と言われる養鶏業界。

 こちらの養鶏場では、1カ月で数百トンのエサが必要で、膨らむ莫大なエサ代に、頭を悩ませています。

 ただ、「より多くの人に食べてもらいたい」と商品の価格の維持に努めています。

 「需要が増えなくて供給が増えると市場に卵があふれてしまって、相場が上がりづらい現状があるんですけど、日本の卵って海外でもまれにみる生で食べられる唯一の国と言われているので、品質の良い卵を1個でも良いので多くの食卓に卵料理を添えて頂くだけでも、卵業界としては消費が増えるのでぜひ応援してほしいと思っています」(デイリーファーム 市田旭宏 専務)

ニワトリの飼育コストが上がった影響は売り場にも

 ニワトリの飼育コストが上がった影響は売り場にも表れています。

 名古屋にある「サノヤ」では、店頭価格は変わっていないものの、6月仕入れ値が上がったといいます。

 「サラダに使ったり、スクランブルエッグ・オムレツ、卵は毎日使います」(客)

 「サノヤ」のMサイズの卵10個入りの販売価格は171円、例年とほぼ変わりません。

 しかし、鶏卵の卸販売最大手「JA全農たまご」は、4月、鶏の飼料価格の上昇を理由に約14年ぶりに出荷価格の引き上げを発表。

 それにより、「仕入れ値」が上がったのです。

 「仕入れ値は3円くらい上がっています。そんなに儲けがないところに仕入れ値が上がると大変だが、お客さんに対しては安く提供したいと思っています」(生鮮食品館 サノヤ 店長 三輪敏也さん)

 JA全農たまごによると、今後も卵の生産は、原油高騰などにより、さらに厳しい状況が予想されるとしています。

 「毎日使うし、卵はいろんなものに使えるので、卵の値段が上がるのは厳しいかなと思います」(客)

値上げラッシュの中、カツオは豊漁でお値打ちに

 食品の値上げラッシュの中、朗報となる食材がありました。

 「カツオは今安いので、カツオは大漁で2割くらい安いです」(生鮮食品館 サノヤ 店長 三輪敏也さん)
 
 3月頃から太平洋側を北上する、「初ガツオ」です。

 6月14日、店頭に並んでいたカツオの値段は、1パック843円。

 例年であれば、1000円近くすると言います。

 なぜこれほど安いのか、水揚げ最盛期の現場・千葉県の勝浦では、4月、約100tほどだった水揚げ量が5月には2600tを超え、25倍近くに増加しました。

 豊漁の理由の一つは、4月には極端に少なかった水揚げ量が、例年通りに戻ったこと。

 もう一つが¨海水温¨です。

 例年、亜熱帯海域を回遊するとされるカツオ。

 2022年は、その地域の海水温が高すぎたため、日本近海で越冬し、そのままとどまったケースが考えられます。

 さらに、例年2kgほどの初ガツオですが、今年はサイズが大きく、4kgから5kgが主流になっているといいます。

 「ありがたいですね。今新鮮ですので」(客)
 「カツオは、刺し身やタタキにして玉ねぎと一緒に食べようかなと思って。全体的に食品が高くなっているので、魚が安いといろいろと料理に使えるのですごい助かりますね」(客)

(6月14日 15:40~放送メ~テレ『アップ!』より)

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