12月4日、5日に行われたJNN世論調査によると、「年末年始にふるさとに帰省する?」という質問に対し、「予定はない」と答えた人が79%でした。同じく「年末年始に忘年会や新年会を行う?」という質問に対し、「予定はない」と答えた人も79%でした。

この調査は南アフリカでオミクロン株が確認された後の調査でもあり、オミクロン株拡大の影響があったのかもしれません。こうした不安に対し、帰省前にPCR検査を実施してもらおうという自治体があります。長野や香川、徳島など、費用は自治体が負担してくれるケースもあるそうです。その他、埼玉ではワクチン接種を受けられない人を対象に無料の検査を実施するケースもあります。オミクロン株が拡大する中、私たちは不安にどう向き合えばいいのでしょうか?専門家に聞きました。

■帰省前に無料PCR検査 自治体が費用負担で不安解消

山形純菜キャスター:
12月に入り年末年始どう過ごそうか考えてる方多いと思います。コロナ禍で迎える2度目の年末年始となりますが、2020年はどういった状況だったのか振り返っていきます。
ちょうど1年前の12月9日、東京の新規陽性者数は574人でした。年が明けて1月7日には2500人を超えるなど、感染が再拡大している状況だったんですね。
そのため、分科会からは年末の帰省について発熱など症状がある方は控える、混雑する時期を避ける、そして忘年会新年会についても、感染リスクを下げながら会食を楽しむ工夫をして、などの提言が出されていました。

では、2021年はどうなのか、今の状況を見ていきます。今日の東京の新規陽性者数は17人。30人を下回るのが28日連続ということで、状況は落ち着いています。そんななか、皆さん、年末年始どう過ごすのか、JNN世論調査を行いました。

【年末年始、ふるさとに帰省する?】
―「予定はない」・・・79%
―「予定がある」・・・19%
―「答えない、わからない」・・・2%

【忘年会や新年会を行う?】
―「予定はない」・・・79%
―「予定がある」・・・20%
―「答えない、わからない」・・・1%

【感染拡大への不安は?】
―「非常に感じている」・・・39%
―「多少は感じている」・・・47%
―「あまり感じていない」・・・12%
―「全く感じていない」・・・1%
―「答えない、わからない」・・・1%

そんな中、自治体では安心して帰省してもらえるようにと様々な取り組みを行っています。
例えば、長野、香川、徳島などでは帰省前にPCR検査を無料で受けられるようにするということなんです。就職、進学、単身赴任などで県外に住んでいて、県内に帰省する人が対象だということです。
それから埼玉でも同じようなことを行っていまして、期間は12月末から2022年3月末まで。対象は12歳未満、または健康上の理由などからワクチン接種を受けられない人を対象に、薬局、ドラッグストアなどでPCR検査が受けられるということです。
さらに、感染拡大の傾向がある時には希望者全員でPCR検査を無料で行える、そういった体制を整えているということですね。

ホラン千秋キャスター:
今は感染者数も落ち着いていますし、2年近く帰省できていないという方もいらっしゃいますので、感染対策をしながら里帰りしたいという方が多いと思うんですけれども、年末年始に万が一体調が悪くなったときに、どういったところに気をつければいいでしょうか?

日比谷クリニック副院長 加藤哲朗医師:
もちろん体調が悪い方は無理して帰らないということも大事になりますけれども、やはりその帰省した先ですね、体調が悪くなる可能性というのもあります。そういった場合にどういうプロセスで医療機関を受診できるかとかですね、そういったこともあらかじめ調べておくとよろしいんではないかと思いますね。

井上貴博キャスター:
オミクロン株についての重症化率のデータなどはほどなく出てくるでしょうし、あとは年内にどうやら飲み薬が出回るかもしれないという中で社会生活を続けながらということになると思うんですが、今、医療機関で抗体カクテルなどの治療薬は、数はどういう状況なのでしょうか。ある程度あるのか、足りていないのか。

加藤哲朗医師:
一時期よりはやはり感染者数減っておりますのでそういった意味では、足りないということはないんですけれども、ただし今後年末にかけて、やはり人の動きがまた少し増えてきますので、それによって感染者数がどうなるかによっても変わってくる部分もありますので、そこを睨みながらということになると思いますね。

■ファイザー社 ワクチンの「オミクロン株」に対する研究結果発表

山形キャスター:
では続いて、今懸念されているオミクロン株について見ていきます。
現在、国内で「オミクロン株陽性」と確認されている方が4人いるのですが、どの方も陽性確認のときは無症状、その後発熱などするのですが、軽症で収まっているという状況です。
また、4人ともワクチン2回接種完了していまして、2例目の方、そして12月8日に陽性と確認された4例目の方は、10月にファイザー社のワクチン2回目接種を終えているということで、まだまだ抗体の量多いと考えられる中で、オミクロン株陽性になっているという状況です。
その中で、ファイザー社がオミクロン株に対するワクチンの研究結果を発表しました。

【ワクチン2回目接種】
「従来株と比較し抗体量は25分の1に低下、感染予防効果不十分の可能性がある」

【ワクチン3回目接種】
「従来株と同程度の抗体量が得られる」

■ワクチン3回目、いつ打てる?

では、12月から医療従事者対象に3回目の接種始まっていますが、順調にこのワクチン接種を行われるのか。岸田首相は「あらゆる可能性を考慮して、供給スケジュールの前倒しなどについて、現在ファイザー社と交渉を進めている」と話しています。

ホランキャスター:
1回目、2回目の接種に関してはかなり多くの方が接種することを選択したということがデータからもわかると思うんですけれども、3回目の接種についてはどのように考えていけばいいでしょうか。

加藤哲朗医師:
このオミクロン株に対しては、やはり2回目だけでは抗体の効果が弱いということで3回目接種を推奨されていますけれども、実際には日本にどれぐらい入ってくるか、地域を含めた流行状況によって変わってくる可能性もありますので。個人的には打つべきだとは思うんですけれども、そういった供給量とかその辺との兼ね合いもあると思います。少なくとも接種できるようになるまでは、従来の感染対策を引き続きしながらということになってしまうのではないかと思いますね。

井上キャスター:
先ほど加藤先生は「人流」について少し触れてらっしゃいましたけど、これからは検査陽性よりも症状が特に重要になってくると思うんですが、やはりこれワクチンをこれだけ広がった中でも人流と感染拡大の相関関係ってのはどう今分析されてますか。

加藤哲朗医師:
第5波のときも、「関係なさそうだ」ということがありましたけれども、やはり完全には否定することはできないと思いますので、いろんなファクターがある中で、一つの要素として人流もやはり無視はできないというような考え方をするのがよろしいかと思いますね。

井上キャスター:
数ある要因の中の一つなのではないかといったことですか。

加藤哲朗医師:
そうですね。

井上キャスター:
あと、ワクチンについては3回目、やはりリスクのある方をまず、いかに早くということになるのでしょうか?

加藤哲朗医師:
そうですね。供給量、特に世界的にもまだ打ってない国という、「ワクチンギャップ」の話もありましたので、そういった部分を考えながら平等さを保ちつつ、やはりリスクのある人などから少し優先順位をつけるということになっていくのではないかとは思いますね。

井上キャスター:
先進国ばかりが先にワクチンを打っていると、そうでない国でまた変異が起きてと、また同じ繰り返しになるわけですもんね。

加藤哲朗医師:
そうですね。
(09日18:45)

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