新型コロナ・オミクロン株の新たな感染者が20日も確認されました。国内の空港検疫で確認されたオミクロン株の感染者は14人。東京都などで新たに確認された感染者と合わせて17人となりました。
アメリカ軍海兵隊のキャンプ・ハンセンでは、クラスターが起き、新型コロナの陽性者が直近1週間で186人となりました。ただ、アメリカ軍は、県側が求めるゲノム検査の実施に今も応じていません。
20日、キャンプ・ハンセンの従業員で、県内に住む日本人女性1人が、新たにオミクロン株陽性と確認されました。これで、4人の基地関係者がオミクロン株に感染したことになります。
沖縄県・玉城知事:「1例目と4例目は濃厚接触者ではあるものの、同じオミクロン株であっても遺伝子レベルでは異なる箇所が多く、感染源が別にある可能性が高いと考えられる。国立感染症研究所の専門家からは、基地内でオミクロン株の感染が広がっている恐れがあるとのご意見も」
玉城知事は21日、外務省とアメリカ軍に対し、基地に所属するすべての軍人・軍属へのPCR検査実施などを申し入れると明らかにしました。
沖縄県・玉城知事:「オミクロン株による感染が、基地の従業員や周辺住民をはじめ、県内へ拡大することになれば、県民の心身を脅かし、今までの努力を水泡に帰す事態を招くことになり、絶対に看過できないこと。(Q.現状、危機感のところで(アメリカ軍側と)温度差がある)かなりあると思う」
基地の周辺は、人通りが少しずつ減ってきたといいます。営業する飲食店の人は複雑な思いを口にします。
基地近くの飲食店店主:「何ともいえない。怖いのもあるんですけど、全く外出禁止にしてほしくはなく、本当に複雑ですね。基地の近くなので8割~9割方、外国人・軍人で持っているので」
今、依頼が急増しているのは、民間救急サービスです。24時間365日、患者の搬送を請け負う会社『全民救パル移送サービス』では、20日に搬送した4人全員が、オミクロン株の感染者でした。
第5波のピーク時には、月に300件ほどあった新型コロナ患者の搬送依頼。10月中旬から12月初めまではほとんどなく、落ち着いた状況でしたが、最近また増えてきたといいます。
全民救パル移送サービス・永松旺さん:「先週の金曜日辺りから急に連絡が来て、金曜日4件、土曜日3件、日曜日2件、本日2件。オミクロン株に関して(搬送者)全体の5割~5割強。半分以上の方はオミクロン株になっている。(Q.第5波の繰り返しと感じる)人は慣れがどうしても出てきてしまうので、仕方がないと思いつつも、どこかでやるせない気持ちになる」
国内での感染拡大に伴い、増えているのが濃厚接触者です。自治体が用意した宿泊施設で一定期間、待機することになっていますが、人数が増えすぎて、手配が追い付かなくなっています。
神奈川県では20日、新たに113人がオミクロン株の濃厚接触者と確認されました。これまでに用意した施設だけでは足りず、新たな場所の確保に乗り出しています。
新たに確保した施設には20日、濃厚接触者9人が搬送されました。それでも、まだまだ足りないと言います。
神奈川県 医療危機対策本部室・樋口泰久さん:「現在、3施設で合計339室用意しているんですけど、20日時点で(濃厚接触者が)749人ですので、なかなかすべての方を案内するのは難しい状況」
対応が追い付かず、自宅で待機してもらう人も増えています。
神奈川県 医療危機対策本部室・樋口泰久さん:「家庭内で感染を防ぐことが可能な方は、ご自宅でお過ごし頂く。(今後)クリスマス休暇で帰国される人も多いと思うので、しばらくはこの状況かと思う」
江東区では20日、いち早く高齢者施設での3回目接種が始まりました。区では当初、来月17日から高齢者施設での追加接種を始める予定でしたが、1カ月前倒ししました。
江東区・山崎孝明区長:「オミクロン株という新しいのが出てくれば、皆心配しますよ。いつでも早く(接種を)スタートできるように態勢を整えるのが、我々の務め。問題は、ワクチンが安定的に供給できるかどうか」
2回目からの接種間隔を原則8カ月から前倒しする動きは、今後、医療従事者や高齢者以外にも広がりそうです。
日本維新の会・片山大介参院議員:「今回、前倒しから外れた人たち、職域接種もそうですよね。こういう人たちについて、前倒しを検討していくことがあるのか」
後藤茂之厚生労働大臣:「そうしたことについても検討して進めていきたい」
これまで、前倒し接種の対象とはしていなかった企業や大学などで行う職域接種についても、一転、検討する考えを示しました。
木原誠二官房副長官:「(Q.具体的な日程や方法はいつ示せるのか)今後の国内の感染動向、ワクチンの供給力等を踏まえながら、職域を含む、その他の方々についても検討を進めてまいりたい」
オミクロン株の感染者はこれまでに82人確認されています。この現状について、国際医療福祉大学の松本哲哉主任教授に話を聞きました。
松本哲哉主任教授:「今のところ、市中感染は起こっていないので、何とか踏みとどまっている状況だが、市中感染はどこかのタイミングで起こり得る」
濃厚接触者の増加で対応が追い付かなくなり、自宅で待機する人も出てきている状況については、こう話しました。
松本哲哉主任教授:「現実的に短期間で施設を増やすことはできない。『自宅待機の管理をどう厳しくするか』に舵を切らなければならないのではないか」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp
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