海外では、オミクロン株の市中感染も伝えられていますが、自分には今、どれくらいの「抗体量」があるのか。医療現場ではすでに備えが始まっていました。

「たらこ、めんたい、すじこ1000円だ!きょうは1000円だ!」

師走に入り活気を帯びる東京・上野の「アメヤ横丁」。

石山商店 本間幸夫さん
「結構出てきてますよね、人は。去年あたりは人が集まらなかったが今年は多少いいと思う」

新型コロナの感染状況も落ち着きを見せる中、お客さんの数も徐々に増え始めてきたといいます。ところが一つ気がかりなことも。

街の人は
「オミクロン株ですよね。 ちょっと怖いなという感じがする」
「どういう変異株なのか。そこの分からないところが不安かなと思っています」

世界各地で猛威を振るう新型コロナの変異ウイルス「オミクロン株」です。

国内でも6日、新たに3例目の感染を確認。イタリアから入国した30代の男性だと言うことです。

■3回目のワクチン接種は“できる限り前倒し”

新たな変異株への懸念がより高まる中、所信表明演説で岸田総理は。

岸田文雄 首相
「感染防止に万全を期す観点から、優先度に応じ、追加承認されるモデルナを活用して8か月を待たずにできる限り前倒しします」

3回目のワクチン接種を「できる限り前倒しする」と打ち出しました。

■気になる抗体量 目安は“中央値”

接種後、時間の経過とともに低下すると言われるのが抗体量です。栃木県のインターパーク倉持呼吸器内科では。

抗体量検査に来た67歳男性
「(ワクチンが)どのぐらい効いているかどうか調べたいです」

今年6月に2回目の接種を受けた67歳の男性。いま自分にどれだけ抗体量があるのか気になって検査に訪れました。

看護師
「ちょっとチクっとしますね」

採血した血液1ミリリットル中に抗体量がどれだけあるのか専門の機器で測定します。
ファイザー社製のワクチンを打ってからおよそ半年。男性の抗体量の数値は「349.5」という結果でした。

この抗体量をどう見ればいいのでしょうか。一つの目安となるのが“中央値”という存在だといいます。

インターパーク倉持呼吸器内科 倉持仁 院長
「接種をして2週間後くらいで2000くらいの抗体量(中央値)になるのが一般的です。抗体量というのは多い方が同じウイルスであれば効力・感染を抑えるとか重症化を抑える効果は高いということは言える」

今年8月モデルナ社製のワクチンを接種した、Nスタの30代スタッフも抗体量を測定させてもらいました。10月23日に検査した際には「2276」という数値でしたが今回は。

倉持 院長
「今日の結果では1555と。抗体量としては十分にある結果です。当然オミクロン株に対してどのくらい有効かはまだ分からないが、ワクチンを打っていない方と比べればかなり安全な状況だということは間違いない。」

抗体量が落ちるとはいえ感染対策に有効なワクチン接種ですが・・・

倉持 院長
「あくまでもワクチン接種、そしてそれによる抗体の獲得というのはいくつもあるコロナ対策のうちの必要なものの1つであって、その数字が2000以上あれば絶対大丈夫という問題ではない」

■いまだ重症患者もいる現実

一方、オミクロン株の懸念が高まる中、医療の現場では早くも対応に動いています。新型コロナの患者を受け入れている昭和大学病院。人工心肺ECMOをつけた患者など、いまだ2人の重症患者が入院しています。

昭和大学病院 相良博典 病院長
「少なくとも重症の患者さんはやはりいらっしゃるという現実を考えておかなければいけないというふうに思います」

病院ではデルタ株の対応に追われ、日々コロナとの闘いが続いているといいます。そうした中、感染が相次いでいる今回のオミクロン株について。

相良 病院長
「オミクロン株が日本でも検出されてきたということはそれほど驚きではないです」

新たな変異ウイルスが猛威を振るうことを見越し、重症者用のベッドを10床。さらに中等症や軽症用を24床新設。変異株ごとに部屋を分けられるよう陰圧個室に対応しているといいます。

相良 病院長
「ある程度落ち着いている段階で作っておくべきだという判断のもとで陰圧室を作った」

国内で3例目が確認されるなどジワジワと猛威を振るい始めた「オミクロン株」。コロナとの闘いはまだ続きそうです。(06日18:37)

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