出典:EPGの番組情報
NHK地域局発 ザ・ライフ「大国の狭間(はざま)で」[字]
今、九州沖縄の各地で日米の部隊の訓練が活発化。背景には尖閣諸島周辺で領海侵犯を繰り返す中国の存在がある。九州沖縄の在日アメリカ軍がどのような意味をもつのか…。
詳細情報
番組内容
NHKは沖縄本島北部のアメリカ軍北部訓練場に10年ぶりにカメラを入れることができた。そこでは「研修」などとしてアメリカ海兵隊の訓練に自衛隊が参加。さらに九州でもこれまでにない動きが顕在化。霧島演習場ではフランス軍が初めて日米の共同訓練に参加する。背景には、尖閣諸島周辺で領海侵犯を繰り返す中国の存在がある。米中の緊張が高まる中、九州沖縄の在日アメリカ軍が、どのような意味をもつのか、取材する。
出演者
【出演】NHK福岡アナウンサー…魚住優,NHK沖縄記者…山下涼太ジャンル :
ニュース/報道 – ローカル・地域
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)
引き上げが達成できる
そういう実現できる社会にして
(銃声)
先週 九州南部で行われた
自衛隊の共同訓練。
アメリカ海兵隊に加え
初めてフランス陸軍が参加しました。
沖縄では アメリカ軍が
最新の訓練を開始。
敵の影響下にある離島を
速やかに奪い返す想定です。
アメリカ軍が念頭に置くのは
台頭する中国の存在。
こうした変化に 住民は
新たな不安を募らせています。
大国の狭間で
今 何が起きているのか。
最前線を取材します。
こんばんは。
フランス陸軍が初めて参加し
九州南部で行われた
日米との共同訓練。
台頭する中国を念頭に
多国間で けん制していくねらいが
あると見られています。
今 こうした動きが 日本の周辺で
活発化しているんです。
尖閣諸島周辺では
中国が日本の領海への侵入を繰り返し
アメリカ軍は その近海で
実際の作戦を想定したとみられる訓練を
行いました。
台湾問題などを巡っても
アメリカと中国の対立が深まっています。
そして 米中の対立は その2つの大国の
狭間にある 九州 沖縄に
これまでにない変化をもたらしています。
とりわけ顕著なのが
アメリカ軍と自衛隊の機動の強化です。
私たちは この事態に
どう向き合えばいいのか。
現場の取材から考えます。
沖縄の伊江島。
4, 000人余りが暮らしています。
パラシュートで島に降り立つ
アメリカ兵たち。
ここで 今 中国を念頭に置いた
最新の訓練が始まっています。
行われているのは 遠く離れた離島に
基地を設置するための作戦
通称 EABO。
今 アメリカ軍が
最も重要視している作戦の 一つです。
この伊江島を 敵の影響下にある
離島と見立て 兵士が上陸。
周辺一帯を確認しながら
島の制圧を目指します。
その後 武器を運び込み
簡易的な基地をつくります。
アメリカ軍は 今後 自衛隊とも
この訓練を行いたいとしています。
アメリカ軍と自衛隊との連携は
この数年で加速しています。
アメリカ軍の 特に厳しい訓練に
自衛隊が参加するようになったのです。
およそ2週間 訓練を共にする
海兵隊と自衛隊。
目的の一つは 相互理解を深めることです。
この日 共に行ったのは 訓練の山場となる
耐久コースと呼ばれるメニュー。
戦場を想定して仕掛けられた
さまざまな障害物をクリアしながら
進むコースです。
そうです。
その板の下です。
ありがとうございます。
行きましょう。
Are you ready?
ワン ツー スリー よいしょ!
一つの担架を運ぶ 海兵隊と自衛隊。
ペース上げて! シャッフル シャッフル!
小走り! カモン カモン!
(歓声)
日米両政府は これまでになく
中国の存在を意識し始めています。
尖閣諸島周辺への領海侵入や
台湾近海での演習を繰り返すなど
活動を活発化させる中国。
かつて 海兵隊に在籍していた
グラント・ニューシャム元大佐は
日米の備えを
より強化する必要があると主張します。
中国が防衛ラインとしているのが
九州から台湾
フィリピンへと続く
いわゆる第一列島線。
アメリカは このラインに近い
九州 沖縄が
極めて重要だとしています。
沖縄で高まる緊張感が
九州にも影響し始めています。
アメリカ軍と自衛隊の基地がある
長崎県佐世保市。
今月9日 日米の訓練に参加する
フランス軍の艦船が入港。
その2日後に現れたのは
海上訓練に参加する
オーストラリアの艦船。
40年以上にわたって 佐世保港の監視を
続けてきた 篠崎正人さんです。
4年ほど前から 外国艦船の寄港が
急激に増えているといいます。
更に 九州各地の自衛隊にも
これまでにない変化が表れています。
佐世保市の一角。
山を切り崩し 60億円をかけて進める
道路の開発。
開発する道路の先では
海上自衛隊の施設が新たに整備されます。
巨大な艦船が接岸できる岸壁がつくられ
大型車両を搭載できるようになります。
その車両の一つが 有事の際に
南西諸島などに展開する水陸両用車です。
侵攻された離島を奪還する作戦の要として
3年前に発足した
水陸機動団に配備されています。
自衛隊で水陸機動団の創設に携わった
住田和明元陸将です。
米中の対立は 沖縄に加え 九州の部隊にも
大きな影響を与えると指摘します。
今 見ましたように 沖縄だけでなくて
九州でも さまざまな変化が進んでいます。
主な動きをまとめました こちらです。
福岡県の築城基地では アメリカ軍が
緊急時に使う弾薬庫などを整備中です。
鹿児島県の馬毛島では アメリカ軍の
訓練を 移転する計画があります。
更に 奄美大島や宮古島では
自衛隊のミサイル部隊の配備も
進められています。
では こうした状況を踏まえて
話を聞いていきましょう。
沖縄放送局の山下記者です。
よろしくお願いします。
山下さん 九州 沖縄で
ここまで変化が進んでいると
これ 私たち
どう受け止めればいいんでしょうか。
今回 各地を取材しましたが
米中関係の緊張の影響が
国内でも特に表れているのが
九州 沖縄だと感じました。
自衛隊やアメリカ軍
それに専門家などに話を聞きましたが
南西諸島の防衛は
沖縄の陸上自衛隊が初動に当たり
そのあと 九州の部隊が
それに連動することが
想定されているということです。
もちろん こうした事態は
避けなければなりませんが
仮に 中国との衝突の危機が
高まった場合は
沖縄はもちろん 九州の部隊も
まず 動員されていくことになる
ということです。
そして VTRにもありましたけれども
海兵隊と… この映像ですね 自衛隊
抱き合ったり歓声を上げたりと
非常に印象に残ったんですけれども
山下さんは この現場
実際 取材をしたんですよね。
そうですね。
どんなことを感じました?
自衛隊が海兵隊と共に訓練を行っていた
この北部訓練場に
NHKのカメラが入ったのは
10年ぶりのことでした。
アメリカ軍にとっては
こうした訓練を見せることで
抑止力を高めたいという思惑が
あったように感じます。
一方で 訓練場の周りの住民に
話を聞きますと
自衛隊が訓練に参加しているということは
そもそも知らず
情報が制限されていると感じました。
今後 日米の連携がですね どこまで
どういった形で進んでいくのか
更に 取材を
続けないといけないと感じます。
さあ そして 私たちは今回
九州 沖縄の1, 800人を対象に
アンケート調査を行いました。
まずは
日米安全保障条約について聞きました。
結果は 「とても重要」が32.9%
「ある程度重要」が44.8%と
8割近い人が そう回答しました。
次に 米中対立の中で日本は
どう行動するべきかと聞きました。
「アメリカとの関係を強化」が およそ3割。
一方 「日本の外交力で改善」も
およそ3割となりました。
この結果 数字はどう見ますか?
日米安保の重要性ということに対しては
大半の人が認識している
ということだと思います。
それで
中国に対する姿勢ということになると
アメリカとの関係強化
一辺倒ではなくて
日本の外交にも力を注ぐべきだという人が
一定数いたことがよく分かります。
これについて
2人の専門家に話を聞いてきました。
外交問題に詳しい 渡部恒雄さんです。
訓練の増加や基地の強化は
抑止力を高めるために
不可欠だといいます。
一方 基地問題を研究する
野添文彬さんは
外交努力を前面に押し出すべきだと
指摘します。
私たちは 基地のそばで暮らす人たちを
各地で取材を続けています。
住民の皆さんは こうした状況を
どう捉えているんでしょうか。
宮崎県の中央部
1万6, 000人が暮らす新富町。
航空自衛隊 新田原基地では
機能強化が進んでいます。
きっかけは 3年前 日米両政府が
沖縄の普天間基地の返還に関連して
新たな合意をしたことでした。
緊急時に アメリカ軍が使うための
弾薬庫や 駐機場 燃料タンクなどを建設。
来年度の完成を目指しています。
住民の多くは 複雑な思いを抱えながらも
計画を受け入れてきました。
しかし 先月。
最新鋭のステルス戦闘機
F35Bの配備について
岸防衛大臣は 現時点では
方針は決定していないものの
航空自衛隊の新田原基地が
有力な候補地だという考えを示しました。
日本政府が アメリカから購入を決めた
最新鋭の戦闘機 F35B。
南西諸島の防衛を強化する役割が
想定されています。
米中対立の中
新田原基地に配備が決まるのか。
住民たちには 戸惑いが広がります。
基地のそばで暮らす 大木賢一さん。
危機感を強めながらも
地元を離れることはできないといいます。
沖縄では 基地の運用が活発化しています。
アメリカ軍 普天間基地では
周辺の負担軽減のため
訓練を 国内各地に移転することに
なっています。
ところが 軍用機の離着陸の数は
この3年間で およそ4割増加しました。
基地の近くで暮らす 宮城政一さんです。
宮城さんは 先祖代々の土地を
アメリカ軍に接収されました。
長年 騒音に悩まされるだけでなく
度重なる アメリカ軍の事故を
目の当たりにしてきました。
活発化するアメリカ軍の活動が
新たな軍事衝突を招くことにならないか
懸念を深めています。
はい。 九州でも沖縄でも
住民の方たちの不安は
強まってるように感じますよね。
そして 山下さん
沖縄の負担軽減という目的を考えると
何か 逆行してるようにも感じるんですが
どうなんでしょうか。
はい。 沖縄では 確かに
アメリカ軍の専用施設の返還は
徐々にですが 進んできています。
しかし
沖縄のアメリカ軍の活動は活発化し
更に 九州の基地の機能強化が
進んでいます。
米中対立の中で こうした基地の負担が
更に 広がっていくことにならないのか
懸念されます。
そして 来年は
沖縄本土復帰50年となりますよね。
今 改めて 安全保障でしたり
基地の負担といったものを
考えることは
決して 沖縄の問題だけではないですよね。
そうですね。 まさに復帰50年に向けた
このタイミングが
そうしたことを考えるのに
非常に重要なタイミングだと思います。
そうですか。
そして VTRにもありましたけれども
住民の方たちの 「この町で
生きていくしかない」でしたり
「二度と戦争をしてはいけない」
といった声もありましたよね。
非常に重いと感じたんですけれども
やはり こうした住民の皆さんの声に
耳を傾けていくといったことは
重要なんじゃないでしょうか。
こういう
緊張感が高まっている時期だからこそ
長く基地のそばで暮らし続ける
住民たちの声に しっかりと耳を傾け
絶対にあってはならない衝突を
どう避けるのか。
考えていくことが重要だと感じます。
また 中国とは隣国として
常に向き合う関係にあります。
これまでの歴史を踏まえて
二度と争いを繰り返さないための知恵が
今ほど問われている時代は
ないと思います。
本当 沖縄だけでなくて
今 九州の人たちも
考えるべきことなのかもしれませんね。
そうですね。
本当に まさに自分事として捉えることが
重要だと思います。
はい。 沖縄放送局の山下涼太記者に
話を聞いてきました。
「The Life」
今日はこれで失礼します。
皆さん
またお会いしましょう。
どこまでも続く 青いサンゴ礁の海。
Source: https://dnptxt.com/
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