出典:EPGの番組情報

NHK地域局発 東北ココから「逆境は味で乗り越える~福島の日本酒を支える男~」[字]

全国有数の酒所、東北。中でも福島は全国新酒鑑評会で前人未踏の金賞受賞数8回連続日本一を達成した。偉業を支えた1人の研究者に密着し、日本酒王国の強さの秘密に迫る。

番組内容
全国有数の酒所、東北。5月の全国新酒鑑評会でも、多くの日本酒が金賞を受賞した。中でも福島は、金賞受賞数が8回連続で日本一となり前人未踏の記録を達成した。その偉業を支えたのが、県の施設で酒造りを研究する鈴木賢二さんだ。“二級酒天国”と言われた福島の酒造りに科学を導入。福島第一原発事故の風評被害も「味」を高めることで乗り越えてきた。いまコロナ禍に苦しむ日本酒業界。逆境に挑む鈴木さんの新たな挑戦を追う。
出演者
【キャスター】打越裕樹,【語り】柳生聡子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – ローカル・地域

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  18. 今年
  19. 酒蔵
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解析用ソース(見逃した方はネタバレ注意)

NHK
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<おいしそうに飲んでいるのは 日本酒>

<東北は 全国有数の酒どころです>

ここは仙台市内の百貨店の
お酒売り場なんですけれども

東北の日本酒が並んでいます。

そして この反対側も
全部 東北のお酒なんですね。

さあ今夜は 東北の日本酒がテーマです。

中でも 福島の日本酒が
すごいことになってるんですって。

<福島の日本酒は 全国新酒鑑評会で

金賞受賞数8回連続 日本一>

<先月 前人未到の記録を打ちたてました>

<その福島で 「日本酒の神様」と
呼ばれている人がいます>

こんにちは。

いえ こちらこそ。
今日は お世話になります。

<酒造りの独自の方程式を公案>

<福島の酒の味を高め

原発事故の風評被害を
乗り越えてきました>

<科学の力で
福島の酒を支えてきた研究者。

おいしさを生み出す秘密に迫ります>

♬~

福島県の…

じゃ いただきま~す。
いただきます。

鈴木さんは ここで
30年 暮らしています。

食事の時 必ず試すのが
どの酒が料理に合うか。

正解?
正解。

そんな鈴木さんが日本酒に出会ったのは
大学生の頃でした。

実は三度三度の…

それ以来 おいしい日本酒を
追い求める日々が続いています。

鈴木さんは 県の特産品を研究する施設で
副所長をしています。

県内に 68ある酒蔵の品質を
高めることが仕事です。

毎年 出来が異なる酒米を分析。

蔵を回り 酒の出来具合も確認します。

鈴木さんが福島に広めた
酒造りのマニュアルがあります。

150年続く蔵を経営する…

これまでに全国新酒鑑評会で
金賞を10回 獲得しています。

金賞を とれるようになったのは

鈴木さんのマニュアルを
使い始めてからです。

マニュアルにある方程式で
酒の発酵具合を計算すると…。

計算式が 8.4と出ました。

それまで判断が難しかった
発酵中の酒に水を加える

「追い水」のタイミングを
間違えなくなったのです。

日本酒の味は 甘みと香り

そして アルコール濃度の
バランスで決まります。

甘みを出す糖は 米から麹菌が つくり

アルコールは その糖を

こうぼ菌が変える発酵によって

生み出されます。

こうぼ菌は
その過程で香りも生み出します。

しかし こうぼ菌は
アルコールに弱い性質があります。

そのため 適度に水を加え
アルコールを希釈しないと

こうぼが弱まり
発酵が うまくいきません。

マニュアルの計算式は

理想のアルコールの濃度を
はじき出すためのものです。

その数値を実際のアルコール濃度が
大きく超えていれば 追い水が必要です。

鈴木さんが
このマニュアルを作ったのは 18年前。

当時 福島は 「二級酒天国」と呼ばれ

経験と勘に頼る酒造りが続いていました。

「科学を取り入れれば 福島の酒は
もっとおいしくなるはずだ」。

そう考え 作り上げたのが
マニュアルでした。

マニュアルを作って3年後には

鑑評会で初めて
金賞受賞数 日本一を獲得。

現在の礎を築いたのです。

私は…

<科学を取り入れた酒造りは
福島以外の東北各県でも進んでいます>

東北の日本酒を集めた お酒売り場です。

見て下さい この数ですよねえ。
たくさんある!

さあ 全国新酒鑑評会に向けて
各蔵が しのぎを削っているんです。

<今年の全国新酒鑑評会の
金賞受賞数トップ10には

福島を含め 東北の4県がランクイン>

<その裏には 東北各県で酒の研究が
盛んになったことがあると

専門家はいいます>

こうした酒造りを広めようと

鈴木さんは 人材育成を行ってきました。

県内にある蔵の若手を集めて
酒造りの基礎を教える…

実習や科学的な知識の講習などを
行っています。

鈴木さんがアカデミーの講師を
務めています。

(拍手)

鈴木さんが特に人材育成に
力を入れ始めたのは

原発事故が
きっかけでした。

風評被害を払しょくするには

金賞をとれる人を更に
増やさなければならないと考えました。

アカデミーから巣立った若手は

鑑評会での金賞受賞数
8連覇の原動力になっています。

このアカデミーで学び 去年から
酒造りを始めた人がいます。

こんにちは。 どうも こんにちは。

あっ どうも。
はじめまして 鈴木と申します。

どうぞ よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。

鈴木さんのもとで 酒造りの基礎を習得し
7代続いた蔵を継ぎました。

小林さんは3年前まで
東京の大手IT企業に勤めていました。

しかし 祖父が かつて経営していた
酒蔵が廃業すると知り

跡を継ごうと決意しました。

妻の真由子さんは
当初 反対していましたが

小林さんの熱意に押され

家族で福島に移り住むことを決めました。

やっぱり そうですね…

小林さんのために 鈴木さんは
手厚いサポートをしています。

小林さんと一緒に蔵の設備を
一つ一つチェックし

その扱い方をアドバイスします。

米や こうぼ菌など 酒造りの材料選びの
相談にも乗っています。

更に 小林さんの指導役として
引退していた経験豊かな杜氏も紹介。

他の蔵に頼んで ベテランの職人も
派遣してもらいました。

そして この冬。

小林さんが手がけた
初めての新酒が完成しました。

(取材者)結構 長かったんですね 道のり。
はい そうですね。

鈴木さんも 味を確かめます。

鈴木さんの支えもあって
上々の出来上がりでした。

いや ほんとね…

初めての新酒は
支えてくれた人たちへの思いを込めて

「わ」と名付けました。

小林さんのもとに
思いがけない知らせが届きました。

(取材者)どこですか どこですか?

今年の全国新酒鑑評会で

金賞の次に価値がある
入賞を果たしたのです。

こういう結果 とれたのが…

知らせを聞いて
鈴木さんも駆けつけました。

何よりでございます。

高みを目指す仲間が
また一人 増えました。

<金賞受賞数8連覇という
偉業を達成した福島の日本酒>

<しかし今 逆風が吹いています。

新型コロナウイルスの影響です>

ここは仙台市中心部の
繁華街なんですけれども

夜8時を過ぎています。

あの店も この店も 居酒屋 既に
営業 終わっちゃってるんですね。

<飲食店が時短営業を行っていることで
酒の需要が大きく落ち込んでいるのです>

<そんな中
増えているのが…>

<この酒屋では最近 常連以外の客が
多くなったといいます>

どういう ご用途で
何を ご所望なんですか?

こうした家飲み需要を取り込もうと
鈴木さんが動き始めました。

パソコンに打ち込んだのは

新たな方程式と…

「辛口」の文字。

これまでの福島の酒は甘口の
しっかりとした味が主流。

主に 日本酒愛好家に
飲まれてきました。

しかし今は
日本酒に なじみのない消費者も好む

手ごろな値段で飲みやすい辛口も
必要だと考えたのです。

鈴木さんが
新たに造ろうとしている辛口では

まず いつもより 水の量を増やします。

そして 糖を通常より多く発生させます。

更に こうぼの働きを高め

糖を より多くアルコールに変えさせます。

そうすることで 甘さを抑えた

飲みやすい酒が出来るといいます。

更に
値段を抑えるため 米を削る量を減らし

コストを下げることにしました。

米の雑味が出てしまいますが

通常の2倍の香りを発する
こうぼを開発することでカバーします。

鈴木さんが辛口造りを
持ちかけたのは

今年 鑑評会で金賞を受賞した
力のある酒蔵です。

コロナ禍で売り上げが
半減しているため

新たな酒造りに
挑戦することにしました。

しかし
辛口の酒を造った経験はありません。

どのように発酵を進めていけばいいのか
手探りの酒造りとなります。

この日 鈴木さんに
蔵から緊急の連絡が入りました。

はい よろしくお願いいたします。

失礼いたします。

発酵が うまく進まなくなっている
というのです。

状況を確認すると。

アルコールの濃度が高くなりすぎたため
こうぼが働かなくなっていました。

すぐに大量の水を入れなければ
こうぼは完全に死んでしまいます。

分かりました。

鈴木さんも手伝って
大急ぎで追い水をしました。

オッケー。 よし。

応急処置をすることで
どうにか事なきを得ました。

それから2週間後。

軽快な辛口に仕上がりました。

鈴木さんが やって来ました。

おお。

ありがとうございます。

ありがとうございます。

ありがとうございます。

出来たばかりの辛口を
酒屋に持ち込みます。

おいしいんですけど…

店は 200本を注文。

コロナ禍に 一筋の光明が。

逆境は 「味」で乗り越える。

科学と人づくりが支える
福島の酒です。

Source: https://dnptxt.com/

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